2020 Fiscal Year Annual Research Report
NKT細胞依存性炎症反応及び抗腫瘍活性に対する核内受容体LXRの影響
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16K19061
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅田 香織 日本大学, 医学部, 助教 (10445744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | liver X receptor / NKT細胞 / 肝臓 / サイトカイン / 抗腫瘍活性 / 胸腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年9月に留学先の米国コロンビア大学より帰国し、研究活動を再開した。これまでの実験結果より、LXRα/β欠損マウスの肝臓および脾臓におけるナチュラルキラー(natural killer, NKT)細胞の減少メカニズムについて、胸腺における分化および成熟化の異常が示唆された。そこで、野生型およびLXR欠損マウスの胸腺細胞におけるLXRαおよびLXRβの発現分布をリアルタイムPCRを用いて比較した。胸腺全体においてはLXRαと比較しLXRβの発現が有意に高く、LXRβの重要性が示唆された。また、LXRβシングル欠損においても顕著にNKT細胞が減少するこれまでの実験結果と一致した。次に、野生型マウスより胸腺を構成する主な細胞群(インバリアントNKT細胞、T細胞、B細胞および胸腺内皮細胞)をセルソーターを用いて分離し、細胞間におけるLXRの発現比較を行った。その結果、各細胞群においてLXRα及びLXRβは同程度発現することが明らかとなり、細胞選択的な発現分布は認めなかった。さらに、NKT細胞への選択的分化に必要である転写因子promyelocytic leukemia zinc finger(PLZF)の発現についても評価したが、野生型とLXR欠損間で変化を認めなかった。LXR欠損マウスにおけるNKT細胞の胸腺での分化異常メカニズムについては細胞選択的LXR欠損マウスなどを用いたさらなる検討が必要であり、今後の課題である。現在、本年度の知見を含めたこれまでの研究成果について論文を投稿中である。
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