2018 Fiscal Year Annual Research Report
Expression and functional analysis of the imprinting genes located in 15q11-13
Project/Area Number |
16K19066
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
玉田 紘太 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (10550957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノムインプリンティング / 自閉症 / 遺伝子発現 / 15q11-q13 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムインプリンティングは両親の片方の親から受け継いだ遺伝子のみが発現する遺伝子発現制御である。ヒト染色体15q11-13(PWS/AS領域)では複数の父性由来染色体発現遺伝子と1つの母性由来染色体発現遺伝子が存在し、全てインプリンティングセンター(IC)による制御を受けている。この遺伝子群の中、父性由来発現遺伝子群の欠損によりプラダーウィリー症候群を引き起こすこと、本領域の重複が自閉症のリスクとなることが報告されている。またこれまでの研究で重複モデルマウスが作製されており、自閉症様の行動学的異常を示すことが明らかとなっている。 本研究ではPWS/AS領域におけるインプリンティング遺伝子の発現制御機構、およびその機能を解明することを目的とする。 発現制御機構の解明としてCRISPR/Cas9法による生体内での可視化を試みたが、KI動物の作製ができなかった。機能解析について、父性由来発現遺伝子を全てスクリーニングしたところ、Ndn遺伝子を強制発現させるとシナプスの過形成が引き起こされることを明らかとした。またさらに重複モデルマウスからNdn遺伝子を1コピー欠失させると、自閉症様の行動学的異常のみならず、大脳皮質の興奮/抑制の不均衡、シナプスの異常が改善されることを見出した(現在、論文投稿準備中)。 これらのデータから、本領域父性由来発現遺伝子群の中でNdn遺伝子が自閉症のリスクとなることを新たに見いだした。今後は本研究で達成できなかったNdn遺伝子の発現制御機構を明らかにする予定である。
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Research Products
(4 results)