2017 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子発現に基づく胃低分化型腺癌の微小環境形成とその制御
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16K19072
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
平井 秀明 東京医科大学, 医学部, 助教 (00770744)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 胃癌 / 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子の1つであるdifferentiated embryonic chondrocyte expressed gene 2 (DEC2)は、乳癌や口腔癌でアポトーシスとの関連が報告されている。しかし、食道癌のアポトーシスにおけるDEC2の役割は明らかにされていない。今回、我々は、シスプラチン投与下の食道重層扁平上皮癌細胞株TE-11におけるアポトーシス関連蛋白の発現を、ウエスタンブロットを用いて検討した。また、培養細胞の生存率をMTS法で、アポトーシスを形態学的にHE染色で評価した。 TE-11にシスプラチンを投与すると、DEC2の発現は低下した。シスプラチン投与下で、DEC2を過剰発現させると、アポトーシス促進因子であるBimが高発現し、抗アポトーシス因子であるBcl-xLの発現が低下した。シスプラチン投与下でDEC2の過剰発現は、TE-11の細胞生存率を上昇させ、アポトーシスを減少させた。 以上より、DEC2がTE-11に対して抗アポトーシス作用を示すと考えられた。シスプラチン投与下でDEC2を抑制することは、食道癌において有効な治療となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、DEC2が食道癌において、抗アポトーシス作用を有する可能性があることを明らかにした。食道癌だけでなく、胃癌におけるDECの機能解析を引き続き行う方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、食道癌のアポトーシスにおけるDEC2の働きを検討した。同様に来年度は、食道癌のDEC1の働きを解析する方針である。また食道癌だけでなく、胃癌やその他の悪性腫瘍におけるDECの機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたより少ない症例で、良好な結果が得られたため、試薬等の出費が抑えられた。 来年度、追加で行う免疫組織化学の抗体や試薬の購入などに次年度使用額を用いる予定である。
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Research Products
(8 results)