2016 Fiscal Year Research-status Report
表面抗原KIR2DL4によるランゲルハンス細胞組織球症の診断および治療法の開発
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16K19080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上島 千幸 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (80759449)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | KIR2DL4 / ランゲルハンス細胞組織球症(LCH) |
Outline of Annual Research Achievements |
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は抗原提示細胞として各種免疫反応に関与するランゲルハンス細胞の皮膚・骨・リンパ節などでの異常増殖が本態とされる骨髄増殖性疾患の一つである。近年LCHに高頻度でBRAFV600E変異が確認されており、またBRAFV600E変異のみられない症例ではMAP2K1変異が確認されている。いずれの変異でもextracellular signal-regulated kinase (ERK)のリン酸化が亢進しており、これらがLCH発症に関与し治療標的となると考えられている。 我々は病理検体ににおいて免疫組織化学染色により36症例中27症例のLCHにKIR2DL4が発現することを確認した。またLCHのcell lineであるELD-1とPRU-1にKIR2DL4 mRNAが発現していることをRT-PCRで確認した。一方、培養細胞による免疫化学染色においてELD-1では細胞質および細胞膜への発現を確認したが、PRU-1では細胞質のみに発現を確認した。つぎにKIR2DL4を刺激したところ、ELD-1ではKIR2DL4刺激により細胞増殖が減少したが、PRU-1では細胞増殖の変動は確認できなかった。またKIR2DL4をノックダウンしたELD-1においてKIR2DL4の刺激を行ったところ、細胞増殖の減少が抑えられた。KIR2DL4刺激による細胞内シグナル伝達を調べたところ、ELD-1ではpERK活性が抑制され、pSHP-2の活性が亢進していた。PRU-1ではpERKやpSHP-2の活性の変化はみられなかった。ELD-1においてSHP-2阻害剤とともに抗KIR2DL4抗体ところ細胞増殖の減少が抑制された。これよりELD-1においてKIR2DL4刺激によりLCH発症に関与するとされるpERK活性が抑制され、pSHP-2活性が亢進、その結果細胞増殖が抑制すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織および培養細胞でのKIR2DL4の発現が確認でき、KIR2DL4刺激によりLCH発症に関与するとされるERKのシグナル抑制を確認し、雑誌投稿が可能な結果が得られたから。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿後査読者の意見に従い、研究を追加する。またマスト細胞でKIR2DL4刺激によりLIF産生が確認されているためランゲルハンス細胞でも評価する。
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Causes of Carryover |
旅費が想定を下回ったため次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費および物品の購入に使用する。
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[Journal Article] Clinical, Morphologic, and Pathologic Features Associated With Increased FDG Uptake in Schwannoma.2016
Author(s)
Miyake KK, Nakamoto Y, Kataoka TR, Ueshima C, Higashi T, Terashima T, Nakatani K, Saga T, Minami S, Togashi K.
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Journal Title
AJR Am J Roentgenol.
Volume: 207
Pages: 1288-1296
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