2017 Fiscal Year Annual Research Report
Diagnosis and treatment of Langerhans cell histiocytosis by KIR2DL4
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16K19080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上島 千幸 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (80759449)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | KIR2DL4 / ランゲルハンス細胞組織球症(LCH) / ERK / SHP-2 / inhibitory receptor |
Outline of Annual Research Achievements |
mRNAレベルおよびタンパク質レベルでのKIR2DL4の発現が確認されたヒトランゲルハンス細胞組織球症(LCH)細胞株ELD-1において、KIR2DL4の機能を検討した。抗KIR2DL4抗体によりLCH細胞株であるELD-1の細胞増殖が抑制された。一方でKIR2DL4のタンパク質レベルでの発現が確認されなかったLCH細胞株PRU-1では、細胞増殖は確認されなかった。この細胞増殖の抑制にはERKの活性が関与するのではないかと考え、MAP2K1阻害剤またはERK阻害剤とともにELD-1を培養すると細胞増殖が抑制された。KIR2DL4をノックダウンしたELD-1ではKIR2DL4の刺激で細胞増殖に変化はみられなかった。 ERKがELD-1の増殖に関与することから、KIR2DL4作動性抗体によるERKのリン酸化の変化を調べると、KIR2DL4作動性抗体はELD-1のERKのリン酸化を抑えることを確認した。KIR2DL4が発現するマスト細胞、NK細胞ではSHP-1やSHP-2の活性が確認されるが、ELD-1ではSHP-2のリン酸化活性のみが確認された。KIR2DL4の刺激によりSHP-2のリン酸化がおこりERKのリン酸化が抑制され、SHP-2リン酸化阻害剤とともにKIR2DL4を刺激するとERKのリン酸化の抑制がキャンセルされることを確認した。 KIR2DL4がLCHの診断に重要なマーカーになると考えられる。一方でKIR2DL4の発現みられないLCHがあり、KIR2DL4発現の有無と症例の差異を今後検討する必要がある。またLCH細胞株においてSHP-2やERKのリン酸化されていることを明らかにした。今後生体内でSHP-2がLCH細胞において連続的にリン酸化される機構を明らかにすることで、抗KIR2DL4アゴニスト抗体がLCH治療ツールになり得ると考えられる。
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[Journal Article] Killer cell immunoglobulin-like receptor 2DL4 is expressed in and suppresses the cell growth of Langerhans cell histiocytosis2017
Author(s)
Yusuke Takei, Chiyuki Ueshima1, Tatsuki R. Kataoka1, Masahiro Hirata, Akihiko Sugimoto, Mariyo Rokutan-Kurata, Koki Moriyoshi, Kazuo Ono, Ichiro Murakami, Sanju Iwamoto, Hironori Haga
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 8
Pages: 36964-36972
DOI
Peer Reviewed