2018 Fiscal Year Annual Research Report
Biological elucidation of lung cancer originating from cancer cell producing chemokine ligand
Project/Area Number |
16K19086
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅田 茂明 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30644439)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サイトカイン / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺腺癌におけるケモカインの役割の解明を行った。変異型EGFRを導入した不死化気道上皮細胞と変異型KRAS遺伝子を導入した不死化気道上皮細胞に共通して発現の亢進していたIL-24に着目して研究を行った。IL-24は幾つかのヒト肺腺癌細胞株でmRNAの発現消失が見られた。ヒト肺癌切除検体を用いた免疫染色では、IL-24の発現は低分化な癌で消失していた。IL-24発現の低下した症例群では、予後が悪い傾向にあった。IL-24が肺癌において癌抑制的な役割を果たしている可能性が示唆された。これらの研究を通して、ケモカインの相互作用の解明には、組織検体内での発現蛋白の可視化が必要であることを考えて、新たな多重免疫染色の方法を検討した。AECを基質として用いて免疫染色を行い、染色されたスライドをバーチャルスライドでスキャンし、アルコールによって脱色する方法を繰り返し、これらの染色されたスライドに疑似の色をつけてコンピューター上で合成し写真を撮影した。複数のスライドの重ね合わせをマニュアルで行っていたが、細胞単位の合成に苦心し、自動で重ね合わせのできるソフトを使用することで最終的に、細胞の核、細胞質や細胞膜単位で正確な多重染色が可能となった。この方法を用いることで、ケモカインリガンドやケモカインレセプターの発現している細胞ががん細胞なのか炎症細胞なのか正確に把握することができる。また、その他の増殖マーカーやアポトーシスマーカーを免疫染色に組み合わせることで個々の細胞の機能が詳細に記述できるようになった。
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Research Products
(2 results)