2017 Fiscal Year Research-status Report
悪性唾液腺腫瘍におけるTrkB, BDNFの発現と機能の解析
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16K19089
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近藤 裕介 東海大学, 医学部, 助教 (70610070)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TrkB / BDNF |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はSalivary dcut carcinoma(SDC)において、Tyrosine kinase receptor B(TrkB)のリガンドであるNeurotrophin-4(NT-4)の発現の解析を免疫組織化学(IHC)を用いて解析した。評価は、各症例で染色強度のスコアリングを行った(0, 全く染色されない; 1+,わずかに染色される; 2+; 中等度に染色される; 3+,強く染色される)。各スコアの占める面積の割合を評価し、2+と3+の占める割合が70%を占める症例を陽性とした。その結果、半数の症例(10例)で陽性、残り半数(10例)は陰性を示した。統計解析を行った結果、年齢が高い群(60歳以上)でNT-4が陽性を示す傾向(p=0.054)があった。ただ、その意義ははっきりしなかった。その他、腫瘍サイズやpT因子、転移の有無、de novo/ex-PAなどには相関性は得られず、NT-4はSDCの増殖や転移、予後などに関与しない可能性が考えられた。 IHCの他にSDCのcDNA合成も行った。これはSDCのホルマリン固定パラフィン包埋ブロックを使用した。QIAGENのキット(AllPrep DNA/RNA FFPE Kit)を用いてtotal RNAの抽出した。total RNAからApplied Biosystemのキット(High Capacity cDNA Reverse Transcription Kits)を用いてcDNA合成を行った。ターゲット遺伝子はTrkB-FL, T1, T2, HER2, BDNF, NT-4とした。ポジティブコントロールをヒトの神経組織と大唾液腺組織として、Real-time RCRでターゲット遺伝子発現の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Real-time PCRのcDNA濃度調整にやや時間を要してる。
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Strategy for Future Research Activity |
Real-time PCRに関しては本学の生命科学統合支援センターに所属する専門家に助言を頂き解析を進める。
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Causes of Carryover |
平成29年度はReal-time PCRの解析を完了する予定であったが、ポジティブコントロールの調整等に時間を要し、複数のターゲット遺伝子の検索に至らなかったことから差額が生じた。 次年度はPCRの解析を完了させ、培養細胞実験に取り掛かる予定である。また、他の唾液腺腫瘍に関しても解析を行う。
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Research Products
(1 results)