2016 Fiscal Year Research-status Report
アンドロゲン受容体の統合的理解に基づくホルモン依存性唾液腺腫瘍の治療開発
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16K19090
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
櫻井 浩平 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10608756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / 転写因子 / アンドロゲン受容体 / 病理学 / 分子生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アンドロゲン受容体(Androgen Receptor:AR)を発現する唾液腺悪性腫瘍に注目し、その治療法の開発を見据えた研究を行う。ARを発現し、ホルモン依存性に増殖する可能性がある唾液腺腫瘍は、アンドロゲン除去療法が有効であることが報告されている。しかし唾液腺腫瘍においてAR が誘導する遺伝子ネットワークは、ほとんど解析されていない。本研究は未知の遺伝子発現プログラムを病理学的あるいは分子生物学的手法を用いて解析する。さらに臨床医と連携して、アンドロゲン除去療法を行った唾液腺腫瘍に関しても、その有用性を分子レベルで解析する。ARを中心とした遺伝子発現ネットワークを統合的に理解し、ホルモン依存性の唾液腺悪性腫瘍の新たな治療開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液腺導管癌はその多くの症例においてARを発現することが報告されている。藤田保健衛生大学病院で唾液腺導管癌と病理診断された症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織からRNAを抽出した。腫瘍部と非腫瘍部から選択的に抽出されたRNAを用いてマイクロアレイを行った(3D-Gene mRNA Oligo chip)。非腫瘍部と比較して、腫瘍部で発現が上昇あるいは低下しているmRNAに注目した。ARをはじめとして、その他、これまでに報告のない様々なmRNAの発現が変動していることが明らかとなった。その中でいくつかの候補を選択し、免疫組織化学的に検討してマイクロアレイの結果を実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
ARの下流遺伝子として知られているもののうち、いくつかはマイクロアレイでその発現が大きく変動していたため、免疫組織化学的に検討を行っていく。本年度は、唾液腺導管癌を20症例ほど使用したが、今後は他施設の症例も集めて、より多くの症例で解析を行う。分子生物学的に解析するために、唾液腺導管癌の細胞株の樹立も目指したい。
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Research Products
(8 results)