2016 Fiscal Year Research-status Report
C型肝炎におけるウイルス排除後の発癌リスクに関する分子病理学的解析
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16K19094
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
近藤 礼一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (50705217)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 病理学 / C型肝炎 / 肝がん |
Outline of Annual Research Achievements |
C型肝炎ウイルス (HCV) 持続感染による慢性肝炎・肝硬変では、抗ウイルス治療によりウイルス学的著効 (sustained virological response: SVR) が得られHCV排除に成功すると、肝細胞癌の発生リスクが減少する。近年、新規で直接作用型抗ウイルス剤が開発され、多くのHCV感染者がSVRを得られるようになっている。しかし、C 型肝炎 SVR後においても、種々の確率で肝発癌のリスクが残存することがわかっており、SVR後の発癌高リスク群の絞り込みが大きな課題となっている。本研究では、C型肝炎でSVR後に肝発癌を認めた症例について、(1) 肝星細胞の形質変化はSVR後に改善するか、(2) 潜在性B型肝炎ウイルス (HBV) 感染の有無、を解明することで、C型肝炎 SVR後の発癌リスク予測へ応用するための研究基盤の確立を目的とする。 研究計画では、平成28年度までに対象としてC型肝炎 SVR後に肝細胞癌で外科的肝切除された症例 30例の集積を目指したが、それ以上の53例の対象症例を集積することができた。対象症例に対し、(1)免疫組織化学を用いて肝星細胞の形質について検討を行い、現在までに、SVR後の肝線維化の残存に類洞壁細胞におけるCD34およびαSMAの発現が寄与している可能性があること、C型肝炎SVR後も非腫瘍部肝組織に線維化が残存する症例は発癌のリスクがあることを見いだし、国際学会で報告し、その結果は高く評価された(Single Topic Conference of APASL, Young Investigator award受賞)。また、(2)Taqman法PCRによる血中HBV DNAの解析、血中HBc抗体の検索、肝組織における免疫組織化学を行い、潜在性HBV感染の検索を行っている。現在までに、6例の潜在性HBV感染症例がみられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象症例の集積および(1) 肝星細胞の形質変化に関する検討、(2) 潜在性HBV感染に関する検討とも、おおむね順調に伸展している。ただし、論文発表までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 肝星細胞の形質変化に関する検討は、国際学会で評価が得られる程度の結果が、現在までに得られている。今後は論文を執筆し、論文発表を行って行く予定である。(2) 潜在性HBV感染に関する検討は、現在までに6例のみの検出となっている。まだ、対象全例の評価ができていないため、未評価の症例の検討を進める。
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Research Products
(3 results)