2016 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア形態制御因子を標的とした大腸がん治療の基礎研究
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16K19110
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山内 茜 (井上茜) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90541970)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の生と死を司る細胞内小器官のミトコンドリアは、環境に応じてダイナミックに形態を変化させ、その生理機能を制御している。近年、ミトコンドリア形態制御の破綻が様々な疾患に関与することが明らかにされつつあり、治療標的としてのミトコンドリアダイナミクスに注目が集まっている。我々は以前、ミトコンドリア分裂因子DRP1の発現抑制が複数の大腸癌細胞株のアポトーシスを誘導することを示した。本結果は、DRP1が大腸癌の治療標的となることを示唆するものであるが、DRP1の癌形成における役割は不明のままである。そこで、本研究では、腸管腫瘍形成におけるDRP1の役割及びその作用機序を解明し、ミトコンドリア形態制御因子を標的とした新たな癌治療法の開発へ向けた基礎的知見を得ることを目的とした。初年度は、腸管腫瘍形成におけるDRP1の役割を解析するためのツールを作出するために、腸管腫瘍モデルへの腸管上皮特異的なDRP1の変異導入へ向けたマウスの交配に着手した。また、DRP1による大腸癌細胞の生存の制御機構を知るために、DRP1との関わりが示唆されるアポトーシス制御因子に注目し解析を進めた。その結果、アポトーシス制御因子はミトコンドリア形態制御に関与することが明らかになった。引き続きその詳細について解析を進めている。さらに、大腸癌臨床検体を用いた解析から、大腸癌組織におけるDRP1タンパク質の発現は、正常粘膜上皮組織と比べて亢進していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの繁殖が計画通り進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
DRP1を欠損する腸管腫瘍モデルマウスの作出を精力的に進める。目的のマウスが得られれば、病理組織学的・生化学的解析をおこない、DRP1欠損による腫瘍形成への影響及びその制御機構について検討する。
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Causes of Carryover |
DRP1遺伝子改変マウスの導入時期が手続きの不備により遅れ、マウス飼育維持費用が予定額を下回った為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後はその遅れを取り戻すべく、繁殖計画を再検討し目的のマウスを効率的に作出する。
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[Presentation] Targeting the BCL-2 family in small cell lung caner2016
Author(s)
Akane Inoue-Yamauchi, Paul Jeng, Kwanghee Kim, Hui-Chen Chen, Song Han, Yogesh Tengarai Ganesan, Yiyu Dong, Sylvia Jebiwott, James J. Hsieh and Emily H. Cheng
Organizer
The 107th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research
Place of Presentation
New Orleans (USA)
Year and Date
2016-04-16 – 2016-04-20
Int'l Joint Research