2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of novel Toxoplasma GRA proteins
Project/Area Number |
16K19116
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬 知秀 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90755266)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トキソプラズマ / GRA |
Outline of Annual Research Achievements |
トキソプラズマはネコから放出されたオーシストや中間宿主の筋肉または脳内に存在するシストが経口的に宿主に摂取された後に腸管から体内に侵入し全身性に感染が拡大していくことは古くから知られていた。原虫の感染がどのようにして効率的に局所から全身へと広がっていくかについては不明な点が多かったが、近年、生体では血液中に未感染状態で存在するのではなくて、CD11bやCD11c陽性である自然免疫細胞に主に感染しており、これによって原虫が宿主免疫系による認識から免れているという「トロイの木馬」説が米国グループにより提唱された。また米国グループにより腸管から脾臓へと移動する際に使われているCD11b陽性細胞は、好中球であることが報告された。免疫細胞を操る新規GRAタンパク質を探索する目的で、宿主細胞のオルガネラごとに分画することによって、各オルガネラに局在しているトキソプラズマ由来タンパク質を網羅的に同定した。またGRAsであることを細胞生物学的手法により決定し、宿主オルガネラへの標的メカニズムを分子生物学的手法により明らかにした。次に、同定された新規GRAsの宿主細胞内シグナル伝達経路での役割を調べるために、レポーターを使用して、in vitroのアッセイ系とトランスクリプトーム解析を行った。また、GRAsが標的としている宿主タンパク質を探索し、GRAsのシグナル伝達経路への関与を詳細に解析した。遺伝子欠損原虫を作製しマウスでの病原性を検討した。あるいは宿主因子の遺伝子欠損マウスを作製して、当該GRAsが標的とする宿主因子の役割を解明し、GRAsによる宿主「乗っ取り」機構を包括的に理解できた。
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