2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of lncRNA responsible for HIV dormancy or reactivation
Project/Area Number |
16K19142
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
工藤 あゆみ 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (30616404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HIV-1 / 潜伏感染 / enChIP / LTR / 再活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Human Immunodeficiency virus (HIV)感染症の治療における問題点は、現行されている抗レトロウイルス剤の併用療法がHIV潜伏感染状態にある細胞に効かず、体内からHIV感染細胞を完全に排除することができない点にある。本研究課題では、CRISPRシステムを応用したenCHIP法を用いることにより、潜伏感染している細胞のHIVゲノム領域上に集積しているlong-non-cording RNA(lncRNA)に着目し、HIV再活性化に作用するRNA分子の新たな同定を試みた。本研究課題では、HIV潜伏感染や再活性化の過程においてHIVゲノム転写がどのように制御されているのか、HIVゲノムに集積してくる宿主由来lncRNAやHIV由来lncRNAの単離と同定を試みるものである。解析に使用するHIV潜伏感染モデル培養細胞株をHIV-Lucウイルスを感染させ、T細胞、単球細胞株にて新たに作成した。また、二つのLTRで挟んだ領域にTat遺伝子、GFP遺伝子をIRESを介して並べたプラスミドをJurkat細胞に挿入したHIV潜伏感染モデル(TNFα刺激により再活性化を誘導しGFP蛍光により活性化定量が可能)を用い、enChIPを行った。enChIPにはHIV-LTR領域内配列特異的なgRNAとともにFlagタグを付与したdCas9をトランスフェクションし行った。LTR領域回収効率および共沈してくるRNA(たんぱく質)を潜伏感染状態と再活性化状態とで比較することを試みた。潜伏感染状態ではIP自体の成立効率が著しく悪くなることから、ゲノムにゆるみが生じる転写、あるいは複製のイベントと同調した実験系の再確立が必要となった。
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