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2016 Fiscal Year Research-status Report

自己免疫疾患の免疫グロブリン再構成におけるエピジェネティクス機構の解明

Research Project

Project/Area Number 16K19152
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山田 宗茂  京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (60625242)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords免疫グロブリン再構成 / 自己免疫疾患 / エピジェネティクス
Outline of Annual Research Achievements

自己免疫疾患患者のリンパ節炎において、正常リンパ節と比較してPlasma細胞の増加が確認されたことから、過剰な抗体量や、dsDNA抗体をはじめとする自己抗体の異常産生が示唆された。このことから、自己免疫疾患における免疫グロブリン遺伝子再構成の状況と、再構成後の転写量についてマウスを用いた検討を行った。本研究においては、全身性エリテマトーデス(SLE)の自然発症モデルマウス(NZB/W F1)、NZB/W F1の両親であるNZWとNZB、および、コントロールマウス(BALB/c)を用いている。各マウスの骨髄からソーティングして得られたPro-B/PreB細胞を用いて、DNA抽出後にDegenerate PCR(縮重プライマーを用いたPCR)を行った結果、免疫グロブリン重鎖遺伝子座の特定領域において、BALB/cと比較してNZB/W F1の再構成が正常に起こっていない結果が得られた。
また、各マウスのPro-B/PreB細胞を用いてマイクロアレイを行い、免疫グロブリン重鎖遺伝子座の遺伝子(IghV)発現状況を比較検討した結果、BALB/cと発現状況が異なる幾つかのIghV遺伝子を見出した。さらに、Ebf1、Rag2等の免疫グロブリン遺伝子再構成やB細胞分化に関わる遺伝子や、Ezh2等のエピジェネティクス関連因子の発現量が、NZB/W F1ではBALB/cと比較すると非常に低く、遺伝子再構成や転写異常に関与している可能性が示唆された。加えて、Zinc Finger型転写因子であるX遺伝子が、NZB/W F1においてBALB/cに比べてその発現量が著しく低いことが明らかになったため、現在B細胞特異的にX遺伝子をノックアウトするコンディショナルノックアウトマウスを作製している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度(H28年度)の研究計画にあげた”1. SLEモデルマウスを用いた免疫グロブリン再構成の検討”、”2.マイクロアレイを用いた SLEモデルマウス等B細胞の自己免疫疾患に関わる因子の同定”については初年度中に完了した。結果、自己免疫疾患への関与が示唆される多くの関連因子を見いだすことができ、また疾患モデルマウスにおいて遺伝子再構成異常を起こしている領域を見いだすことができた。
当初は遺伝子再構成、また再構成後の遺伝子転写異常に関与するエピジェネティクス因子の同定を試みることが目的の一つであったが、エピジェネティクス関連因子以外にもZinc Finger型をはじめとするいくつかの転写因子の発現異常も確認された。現在、上記のうち一つの転写因子に注目し、コンディショナルノックアウトマウスの作製を同時進行で行っており、幅を広げながら概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

自己免疫疾患モデルマウスにおいて、免疫グロブリン重鎖遺伝子座V領域における遺伝子発現パターンが、コントロールマウスと比較して異なるところが多いことが明らかになった。さらに、疾患モデルマウスにおける免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成異常も確認され、マイクロアレイやRT-PCR等からエピジェネティクス関連因子の発現異常も確認された。これらの結果から、免疫グロブリン重鎖遺伝子座の再構成・転写異常にエピジェネティクス制御機構が関与している可能性が示唆されたため、免疫グロブリン重鎖遺伝子座におけるヒストン修飾状況を網羅的に解析するため、クロマチン免疫沈降法と次世代シークエンスを合わせたChIP-Seqを行う予定である。用いる材料については、免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成・転写が行われるPro-B細胞に限定するため、疾患モデルマウス・コントロールマウス各々の骨髄から、Becton, Dickinson社のFACS装置 Ariaを用いたソーティングにより得られたPro-B細胞を用いる。
さらに、現在自己免疫疾患モデルマウスにおいて著しく発現が低下している転写因子が明らかになったため、Pro-B細胞等未分化なB細胞を含めたB細胞特異的コンディショナルノックアウトマウスの作製を行っている。完成次第、コンディショナルノックアウトマウスを用いて、表現型をはじめ、自己免疫疾患における免疫グロブリン再構成の状況と、 それに関わるエピジェネティクス修飾異常の関係を詳細に明らかにして行く。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Hotspots of MLV integration in the hematopoietic tumor genome2017

    • Author(s)
      Tatsuaki Tsuruyama, Takuya Hiratsuka and Norishige Yamada
    • Journal Title

      Oncogene

      Volume: 36(9) Pages: 1169-1175

    • DOI

      10.1038/onc.2016.285

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2018-01-16  

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