2017 Fiscal Year Research-status Report
大規模副作用データベースを用いた新たな副作用発現因子の探索法の構築とその検証
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16K19175
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野口 義紘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (80724608)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | association rule mining / signal detection / Pharmacovigilance / drug-drug interaction |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、副作用自発報告データベースを用いて副作用発現因子を探索する簡便な手法の構築を目的としている。初年度に引き続き、副作用を発現した患者の年齢や性差に着目して、頻度論的統計学に基づくproportional reporting ratio (PRR) やreporting odds ratio (ROR) やベイズ推計に基づくBayesian Confidence Neural Network(BCPNN)など安全性シグナル指標を用いてシグナル検出を行った。これらの解析により、臨床現場にフィードバックできる調査結果を得ることができた。 医薬品相互作用の解析において、従来の評価法では、シグナル値の算出に当たり、調査すべき組み合わせ数が膨大となるため、現実的な時間で解析を行うのが困難であった。しかし、本研究においては、解析時間の短縮を考慮し、ビッグデータの解析法の一つであるアソシエーション分析を活用し、Aprioriアルゴリズムにより、シグナル値の算出のための演算の簡略化を行うことができた。 医薬品相互作用のシグナルは、追加した医薬品がもう一方の医薬品による副作用の発生確率をどの程度引き上げるかに着目しており、初年度に構築した原疾患を考慮したシグナル検出とは異なる式を設定した。 これら構築した評価法と従来の評価法とのシグナル検出力の違いについて解析・検証を行い、本研究で設定したアソシエーション分析の検出基準では、医薬品相互作用に起因するStevens-Johnson syndromeのシグナルを感度99.05%、特異度92.60%、Youden's index 0.917、F-score0.876の結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトは3年計画であり、2年目は、初年度に実施した解析用データベースの最適化および従来の評価法の問題点の確認とその対策についての検討結果に基づいて構築した(1)原疾患を考慮した副作用シグナルの検出手法と(2)医薬品相互作用の副作用シグナルの検出手法の検出力についての評価した。これら構築した評価法は、従来の評価法と比較して簡便であるにもかかわらず、検出力は同等であった。これらの結果は、論文として広く公開した。この面から、本研究計画は、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書の予定通り、論文として公開した(1)原疾患を考慮した副作用シグナルの検出手法と(2)医薬品相互作用の副作用シグナルを用いて、シグナル解析を行い、引き続き、その解析の妥当性を検証を実施する予定である。また、満足すべき結果が得られた場合は、論文化し、広く公開する。
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Causes of Carryover |
論文アクセプトが、年度末になったため、論文掲載費用の支払い処理が次年度となった。
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