2017 Fiscal Year Research-status Report
PD-1遺伝子多型解析に基づく多発性骨髄腫治療効果予測バイオマーカーの検討
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16K19190
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
笠松 哲光 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60737542)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PD-1 / PD-L1 / 一塩基多型 / 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はProgrammed cell death 1 (PD-1)関連一塩基多型(SNPs)解析に基づき、多発性骨髄腫(MM)におけるPD-1と抗腫瘍免疫細胞の関連を明らかにすることで、予後や治療効果予測のバイオマーカ―への臨床応用である。今年度は、前年度に決定されたPD-1 SNPsを組み合わせたハプロタイプの解析とPD-L1の2SNPs(*93T/C, *395C/G)、さらにPD-1と同様に免疫チェックポイント分子の一つであるcytotoxic T lymphocyte-associated antigen-4 (CTLA-4)の4SNPs (-1722A/G, -1577A/G, +49A/G, +6230A/G)を決定し、解析を行った。あわせてPD-1 SNPsと健常者のリンパ球表面PD-1発現量とmRNA発現量の比較を行った。 SNPsの解析では、MM患者は健常者に比べPD-1 GCC/GCCハプロタイプの割合が有意に高かった。MM患者を各遺伝子型によって2群に分け臨床背景・予後を比較すると CTLA-4 -1722 AG & GG型で髄外病変合併の割合が有意に高かった。また、PD-L1 TT & TC型では血清アルブミン値が低かった。CTLA-4 -1577 GG型では国際病期分類 III期の割合が有意に高かった。しかし、いずれのSNPsにおいても予後および新規薬剤(サリドマイド・ボルテゾミブ)の反応性には有意差は認められなかった。また、健常者においてリンパ球表面PD-1発現量とmRNA発現量を比較したが、いずれもSNPsの遺伝子型においても有意な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SNPsの解析はおおむね当初の計画通り進行している。リンパ球表面PD-1発現の測定は一度に多くの測定ができないため遅れている。また、健常者では現在有意な差は認められないため、異なる評価法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらにPD-1以外の免疫チェックポイント分子のSNPsの解析を検討している。また、PD-1は疲弊したリンパ球だけでなく老化したリンパ球にも強く発現することが知られており、MM患者では老化したリンパ球が増加しているといった報告もされているため、この2つを鑑別するマーカーを検索するとともに免疫反応の違いを検討して行く予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] PD-1 and PD-L1 gene polymorphisms associated with the clinical features of multiple myeloma2017
Author(s)
Kasamatsu T, Awata M, Kanai Y, Murata K, Ohata M, Ishihara R, Murakami M, Watanabe S, Ino R, Kitamura Y, Honma K, Masuda Y, Takahashi N, Gotoh N, Matsumoto M, Sawamura M, Shimizu H, Ishizaki T, Takizawa M, Koiso H, Yokohama A, Tsukamoto N, Handa H, Saitoh T, Murakami H.
Organizer
第79回 日本血液学会学術集会
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