2017 Fiscal Year Research-status Report
高機能性ペプチドを用いた血中酸化LDL濃度定量法の開発と体外診断への応用
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16K19201
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
佐藤 陽 いわき明星大学, 薬学部, 助教 (20458235)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 診断 / ペプチド / 酸化LDL / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引続き、私達の見出した機能性ペプチドを用いた血中酸化LDL濃度定量法の確立を行った。具体的には、蛍光標識ペプチドの酸化LDLに対する結合性の評価を行った。特に、ミツバチが産生するローヤルゼリーに含まれるタンパク質の一つ、ロイヤリシン(51アミノ酸残基より成る)は、その41-51番目のアミノ酸残基部分に酸化LDLとの特異的結合に重要な配列を2個有することから、その部分ペプチド(41-51番目のアミノ酸残基)の蛍光標識体(FITC-AC)royalisin P11の酸化LDLに対する結合性を調べた。その結果、(FITC-AC)royalisin P11は酸化LDLに対して特異的かつ用量依存的に結合すること、またこの特異的結合はペプチド中に存在する酸化LDLとの特異的結合に重要な2配列を介して、酸化LDLの主要構成リン脂質であるリゾリン脂質、酸化リン脂質を介して、それぞれ行われることが明らかとなった。 また私達は、本蛍光標識ペプチド、酸化LDL抗体、ポリエチレングリコールを用いた新たな血中酸化LDL濃度定量法を確立した。この感度はペプチド単独に比べて20倍以上高いものであった。今年度では、この定量法の有用性について、実際に動脈硬化やそれを起因とした疾患(動脈硬化疾患)の患者の血液を用いて調べる予定であったが、先の基礎的研究(診断法の確立)に時間を要したこと、またその血液提供先(医療機関等)を探しているところであり、臨床応用に向けた本診断法の有用性評価については次年度実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光標識ペプチド、酸化LDL抗体、ポリエチレングリコールを用いた血中酸化LDL濃度定量法を確立した。しかし、その基礎的研究に時間を要したこと、また動脈硬化やそれを起因とした疾患(動脈硬化性疾患)の患者からの血液提供先(医療機関等)を探しているため、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実際に動脈硬化やそれを起因とした疾患(動脈硬化性疾患)患者からの血液を用いて、実際に臨床使用に向けた本診断法の有用性を評価していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は動脈硬化やそれを起因とした疾患(動脈硬化性疾患)患者の血液提供を受けた本診断法の有用性評価を行っていないため、この研究の次年度での実施に残額分をまわす。
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