2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular characterization and acquisition of carbapenem resistance in Acinetobacter species
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16K19208
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
松井 真理 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (50555761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アシネトバクター属 / カルバペネム耐性 / カルバペネマーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
獲得型カルバペネマーゼ遺伝子であるblaOXA-23を有するAcinetobacter baumannii 12株を対象に、blaOXA-23の局在(染色体もしくはプラスミド)及びblaOXA-23周辺構造比較解析を実施した。blaOXA-23がプラスミド上に存在する2株を比較したところ、Multilocus Sequence Typingでは同一のSequence Type2に属する株であるが、blaOXA-23の周辺構造は一方がTn2008、他方はTn2009であり、それらを担うプラスミドも異なるものであったことから、異なるタイプのクローンであると推察された。今年度は新たに、NDM型メタロ-β-ラクタマーゼ遺伝子(blaNDM)保有Acinetobacter variabilisの全ゲノム解読を実施し、blaNDM-1は43,478 bpのプラスミドに存在することを見出した。相同性の高いblaNDM-1プラスミド配列は、GenBankデータベースに複数の国から登録されており、挿入配列(IS)領域を除くと互いに極めて高い相同性を示した。また、このプラスミドは、A. baumannii、A. pittii、A. lwoffii、A. dijkshoorniae、A. haemolyticus、A. bereziniaeと複数の菌種で検出されているが、A. variabilisでの検出は本研究での報告が初めてであり、アシネトバクター属の多菌種が保有しうるプラスミドであると考えられた。既報に従いこれらのプラスミドのレプリコンタイピングをin sillicoで実施したが、いずれもこれまでに提唱されたタイプには属しておらず、本研究で得られたプラスミド配列データは、アシネトバクター属のプラスミドレプリコンタイピング手法の拡充やカルバペネマーゼ遺伝子の拡散機構の解明に有用と考えられた。
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Research Products
(3 results)