2016 Fiscal Year Research-status Report
鎮痛耐性能の低いμ-δヘテロダイマー受容体選択的な作動活性を示す新規鎮痛薬の創出
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16K19216
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平山 重人 北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | μ-δ受容体 / 鎮痛薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は自らが行った既知のμ-δ受容体作動薬であるML335のin vitroにおける検討結果に基づき研究室保有の化合物をML335とδ/μ比が近いμ受容体選択性を有する化合物群、非選択的な化合物群およびδ受容体選択的な化合物群の3群に分類し、μ-δ受容体、μ受容体、およびδ受容体発現細胞を用いたCellKey TM systemにおけるスクリーニングをこれまでにML335とδ/μ比が近い、μ受容体選択性を有する化合物を中心に100化合物に関してCellKey TM systemにおける評価を行った。評価した多くの化合物はある程度作動活性を示した。その中でμ-δ受容体に対し完全作動活性を示した化合物は23化合物、部分作動活性(Emax 50-80%)を示した化合物は13化合物であり、ヒット率としては非常に高いと考えられる。μ-δ受容体に対し部分作動活性以上を示した化合物の中でμ受容体に対する作動活性をほとんど示さなかった(Emax < 30%)化合物は13化合物であった。また、μ-δ受容体に対し完全作動活性を示す化合物に関しては濃度反応曲線を作成するため、更なる検討を行った。現在のデータからμ-δ受容体作動活性を示し(Emax >50%)、μ受容体作動活性が30%未満である化合物の構造的特徴は窒素置換基がシクロプロピルメチル基であるということを把握できた。今後、更なる化合物のスクリーニングと共に、これまで評価した化合物の機能的選択性を詳細に評価することで平成29年度に予定している構造的特徴の抽出と解析ならびに化合物の改良を進めることが出来ると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに100化合物のスクリーニングを終えているが、μ-δ受容体作動活性を示す化合物が多く、濃度反応曲線を作成する化合物の数が当初の予定よりも多くなってしまい、進捗状況に遅れが生じている。ただ、これまで評価を行った化合物の評価結果より、平成29年度に予定されている構造的特徴の抽出の一部、すなわちμ-δ受容体作動活性を示し、μ受容体作動活性を示さない構造的特徴が把握できた。以上のことから進捗状況としてはやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度にスクリーニングを終えられなかった化合物の評価を引き続き行うと共にその評価結果からμ-δ受容体作動薬の構造的特徴を抽出、解析を行うこととする。また、これまでに得られた情報を基に構造の変換を行い、μ受容体作動活性を抑えることが出来る構造的特徴と予想している作業仮説の検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度の進捗状況に遅れが生じており、予定よりも消耗品の購入が少なく、支出が抑えられたため、次年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に購入予定であったCellKey TM systemの消耗品や細胞維持に必要な物品の購入の他に化合物の合成に必要となる合成用試薬や化合物精製に必要な有機溶媒の購入を予定している。
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