2017 Fiscal Year Research-status Report
揺動MRIによる脳腫瘍のバイオメカニクス評価法の確立
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16K19227
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
大野 直樹 金沢大学, 保健学系, 助教 (30642219)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | MRI / 頭蓋内環境 / 弾性 / 灌流 / 拡散 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，脳腫瘍における弾性，灌流および制限拡散情報を独自に開発した揺動MRIを用いて一度の撮像で統合的に評価する手法を確立し，新たな診断情報として利用することを目的する．平成29年度は前年度に構築した揺動MRIの3成分（弾性，灌流，制限拡散）同時解析法の正当性を検証するために，健常ボランティアに本手法を適用して検討を行った．
3TのMRI装置において心電図同期併用single-shot diffusion echo-planar imagingを使用し，b値（拡散検出傾斜磁場の強度）を段階的に変化させながら多心時相の脳の拡散強調画像を取得した．取得したデータから灌流成分と制限拡散成分の拡散係数（ADC）を算出し，心周期における拡散係数の変化量から弾性成分を表すΔADCを算出した．さらに，これらの解析値と非侵襲的脳血流評価法であるarterial spin labeling法により取得した局所脳血流量（rCBF）を比較した．その結果，灌流成分のADCはrCBFとよく一致した．これは本手法で得た灌流情報の妥当性を裏付けている．一方，ΔADCもrCBFとよく一致したが，これはΔADCが入力要素である灌流の影響を受けるという先行研究と一致する．そのため，ΔADCを灌流成分のADCで正規化すればΔADCに内在する灌流の影響を補正できると考えた．事実，補正後のΔADCとrCBFに有意な相関は認められなかったことから，本手法によりΔADC評価時における灌流の影響を補正できることが判明した．
以上のように本手法の正当性を健常ボランティアで検討し，今後の臨床応用に向けた準備を行った．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に構築した構築した揺動MRIの3成分（弾性，灌流，制限拡散）同時解析法の正当性を健常ボランティアにおいて検証し，一定の成果を出したため．
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| Strategy for Future Research Activity |
本手法の正当性の検証を継続するとともに，健常ボランティアにおける各種解析値のデータベースを構築し，年齢や性別によるバイアスについても検討する．さらに，脳腫瘍を中心とした臨床例に本手法を適用し，その有用性について検討する．得られた研究成果を社会に向けて広く発信するために，国際会議を中心とした学会発表，欧文誌への論文投稿，ホームページ（http://miyatilab.w3.kanazawa-u.ac.jp）上で成果報告を行う．
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| Causes of Carryover |
（理由）
購入を予定していたファントム実験に必要な消耗品の一部が既存品で代用できたため．
（使用計画）
これまでの成果を学会発表や論文投稿を通じて世界に発信するための費用が必要となるために，平成29年度の未使用分を次年度に充てる．
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