2017 Fiscal Year Research-status Report
呼吸性移動による変形を再現する胸部ファントムの作成
Project/Area Number |
16K19234
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大町 千尋 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20588967)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 粒子線治療 / 人体模擬ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子線を用いたスキャニング照射法において、呼吸による体輪郭、骨構造の変形は飛程の変化としてあらわれ、意図しない線量分布の変化を引き起こす要因である。本研究の目的は呼吸性移動を伴う領域における線量分布検証を目的とした人体模擬ファントムを作成し、強度変調陽子線治療における呼吸性移動の影響を正確に検証することである。 平成29年度は胸部における肺、気管部を含む換気機構について検討するとともに、前年度に引き続き、照射野を含む一部領域における胸部骨格と内部構造の作成について研究を進めた。3Dプリンタで製作したモデルを基に椎体と肋骨を作成し、胸部のファントムの造形について検討を行ったが、製作領域を限定した場合には複数の関節部による従来の呼吸性変化の再現が難しく、製作領域の変更が必要であることが分かった。特に肋骨の上下方向への移動が再現できなくなるため、肋骨位置による線量分布の変化を検証することが難しい。肋骨位置の変化を再現するためには頭尾方向により広い領域と横隔膜位置の変化を含む製作が必要となる。また、換気機構については予定していた気管部経由での換気ではなく製作した肺野を直接換気する機構へ変更することとした。これにより製作領域の自由度が高まり、柔軟な造形が可能となる。これらの計画変更点をもとに胸部ファントムの作成を進めており、完成後にCT撮影等の動作検証と線量計及びフィルムを利用した測定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては照射野を含む一部領域のみを造形を検討していたが、呼吸性変化を十分に再現することが難しく、製作領域の変更が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
製作領域の変更に伴い内容に遅れが生じているが、当初予定通り研究を継続する。領域の変更については、予定していた照射野周辺の造形から片肺もしくは一部両肺の造形を検討し、可動域及び呼吸性変化の再現性を高める。
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Causes of Carryover |
(理由) 胸部ファントムの作成において製作領域及び構造上の変更が必要となり、最終的な造形を延期したため。 (使用計画) 胸部ファントムの作成費用と成果発表のため費用とする。
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