2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K19246
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 里奈 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40709713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 肥満 / 生活習慣 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌の組成は、加齢により変化する。本研究では、肥満群と非肥満群について加齢の影響を検討し、さらに生活習慣(飲酒習慣、喫煙習慣)についても検討を行った。2014年岩木健康増進プロジェクトに参加した者のうち、大腸がんあるいは糖尿病の既往のある者、抗生剤を服用中の者、欠損項目のある者を除外した1,082名(男性410名、女性672名)を解析の対象とした。BMI25以上を肥満群、とし、BMI25未満を非肥満群とし、年齢を6グループ(39歳未満、40-49歳、50-59歳、60-69歳、70-79歳、80歳以上)に分けた。 腸内細菌の多様性は加齢とともに減少していた。肥満群と非肥満群では加齢による腸内細菌の組成は異なっていた。肥満群においてはBacteroidetesの組成は年齢グループが高くなるにつれて減少していたが、非肥満群では減少はみられなかった。また、Firmicutesの組成は肥満群において年齢グループが高くなるにつれて増加していたが、非肥満群では増加はみられなかった。飲酒習慣の有無、喫煙習慣の有無では組成に有意差は認められなかった。 先行研究では、Bacteroidetesは動物性脂肪や動物性たんぱく質と関連すると報告がある。生活習慣や食習慣により、腸内細菌の組成は変化するいくつかの報告がなされている。高齢者は身体になんらかの障害を持っている可能性が高く、運動等でのダイエットは困難である。本研究により、腸内細菌の組成をコントロールをすることで肥満をコントロールできる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析は完了し研究成果について国内学会および国際学会で発表を行ったが、まだ論文を投稿するに至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度中に論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
岩木健康増進プロジェクトにて、前年度予定されていた腸内細菌の採集が行われなかったため。 次年度の論文投稿料に充てる予定である。
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