2017 Fiscal Year Research-status Report
多次元・多時点ヘルスデータにベイジアンネットワークを活用した予防と医療の連携
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16K19251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福間 真悟 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60706703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 健康医療ビックデータ / 予防医療 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
全国土木建築国民健康保険組合との共同研究にて、組合が保有する医療レセプトデータ、特定健診データの分析を進めている。医療レセプトは2013年9月―2017年3月、特定健診データは2011年度―2016年度までを時系列で突合し、多次元多時点データから構成されるコホートデータベースを構築した。レセプトの自動加工アルゴリズムをセキュアなクラウド上に設計し、汎用性の高い一次加工レセプトの活用を進めている。構築したデータベース上で、複数のモデルプロジェクトを進行中である。 ①慢性腎臓病重症化予測モデルの構築:ベイジアンネットワーク、機械学習モデル、古典的予測モデルにて、慢性腎臓病の重症化予測モデルを構築した。経時的な健診データとレセプトデータをモデルに組み込むことによって、重症化リスクの推定精度を向上させることが出来た(機械学習モデルにてAUC0.85を達成)。 ②慢性腎臓病受診通知介入プログラムの開発:機械学習モデルによる慢性腎臓病重症化リスクに応じて未受診者への通知介入が可能となる、アルゴリズム、コンテンツの開発を行った。通知介入の実施可能性は他自治体(奈良県天理市)で検証した。 ③生活習慣病重症化リスク因子の分析:生活習慣病重症化リスク因子を同定するために、複数のリスク因子に関連して分析を進めている。生活習慣病対策の国際連携を目的として米国ミシンが大学とも共同研究を開始している。肥満と慢性腎臓病の関連、健康行動と慢性腎臓病の関連については、英文論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
汎用性の高い多次元多時点データベース構築を完了し、複数のモデルプロジェクトを推進している。生活習慣病対策の施策決定に重要な知見が得られ、国際連携プロジェクトにもつながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析によって得られた知見を個別化された指導に活かすための事業計画を進めるために、保健指導実施事業者であるSOMPOリスケアマネジメントとの連携を開始した。分析結果のフィードバックをシステム化するには想定以上の開発経費が必要であるため、データベース環境、データ解析環境、解析結果出力環境に集中し、保健指導場面での人によるフィードバックとうまく連携することを目指す。 また、データ分析結果に基づく保健指導事業の設計として、本年度より慢性腎臓病重症化リスクに基づく受診通知介入事業を開始し、その効果検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度までに構築したデータベースを活用し、生活習慣病対策のモデルプロジェクトを推進する。得られた結果と開発したコンテンツを利用した保健事業介入を行い、その効果検証も行っていく。次年度予算は、介入プログラムの運営及び、効果検証のためのデータ取得、分析のために活用する。
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Research Products
(2 results)