2017 Fiscal Year Research-status Report
職域および住民健診受診者のメタボとロコモの発症・増悪リスクに関する長期縦断研究
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16K19253
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
熊谷 貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90405720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 特定健康診査 / 住民健診 / 保健指導 / 栄養指導 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドロームの改善を阻害する因子としてのロコモティブシンドロームに着目し、職域・住民健診を活用したリスク、増悪因子に関する長期縦断調査を実施している。主な調査は3つである。①メタボとロコモの発生率、リスク・増悪因子の検討、②体重の増減変化とロコモ予防および発症、進行予防の疫学研究、③①、②に係る社会環境因子、栄養摂取状況や活動量との検証とエビデンスの確立である。 平成29年度は、①についてロコモティブシンドロームに関する実態調査を行った。A市健診センターでの健診受診者のうち、A市とB町の約6,500名を対象にロコチェック25を実施した。既往歴、服薬、ペースメーカー、人工透析をしていない対象者について、運動機能の低下が疑われるロコモ度2の該当者は4.5%で男性に比べ女性で高かった。標準的な質問票による生活習慣との関連は、男性は、BMI、「日常生活における歩行又は同等の身体活動を1日1時間以上実施」、「睡眠で休養が十分にとれている」で、女性ではBMI、「1年間の体重の増減が±3㎏以上あった」、「夕食後に間食をとることが週3回以上ある」、「睡眠で休養が十分とれている」であった。睡眠は、良く眠れない場合にロコモの点数が高かった。健診受診者を対象としたロコモ25の導入は、運動機能評価のスクリーニングに活用可能と考えられた。ロコモの点数が高い健診受診者で、BMIが高い、体重増減および運動習慣がない、食事のとり方などに問題がある場合には、運動機能低下予防と維持の早期介入への取り組みが必要であると考えられた。 また、メタボリックシンドローム関連では、生活習慣と腹囲への影響について検討を行った。男性では、保健指導が各種検査値に良い影響を与えており、運動習慣や就寝前の食事に改善効果がみられていた。 得られた結果は学会発表を行った。今後は、リスク因子の検討等を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動機能の状況調査として、ロコチェック25調査を2年間継続しデータの解析を行っている。また、健診受診者のうち2001年度から現在まで継続受診している対象者について、各種検査値、生活習慣および栄養・運動調査の縦断検討に取り掛かっている。 平成30年度より、第三期特定健康診査・特定保健指導となり、標準的な質問票に変更がみられた。新旧の質問内容や指導方法について柔軟な対応をとり、結果の検証を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、運動機能の低下は女性に多く、保健指導は男性に効果があることが示された。この原因について、引き続き解析・検討をする。また、住民健診データは2001年度から17年間継続受診した対象者について、各種検査値および疾患リスクの評価を行う。継続受診者のうち、特定健康診査・特定保健指導の該当者については、指導の有無による検査値の改善、指導の効果についても検討を進める。さらに、第三期特定健康診査・保健指導による保健指導への取り組みの違いに若干変更がみられるが、今後の研究遂行にあたって柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、出産育児休暇後の復帰が年度途中の平成29年10月2日からによるためである。休暇中に中断した調査は、随時進行中である。平成30年度は、中断期間に実施予定であった、各種身体状況測定のための機器やモバイル端末を導入した調査を遂行予定である。
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Research Products
(4 results)