2018 Fiscal Year Research-status Report
職域および住民健診受診者のメタボとロコモの発症・増悪リスクに関する長期縦断研究
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16K19253
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
熊谷 貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90405720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 特定健康診査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、健診受診者の運動機能状況と生活習慣との関連を検討した.2016年から2017年に地域および職域健診の受診者に対し,ロコモ25テストを実施した.ロコモ25の合計点が7点以上15点以下はロコモ度1,16点以上をロコモ度2と判定し,該当者割合を男女で評価した.また,特定健診保健指導における標準的な質問票の結果を用いて生活習慣との関連性を検討した.結果として,ロコモ25回答者6,512名(男性3,782名,女性2,730名)のうち,データ欠損値,既往歴,服薬,ペースメーカーおよび人工透析をしていない4,289名(男性2,382名,1906名)が対象となった.平均年齢は,52.4歳(男性52.1±9.6歳,女性52.8±9.9歳)であった.ロコモ度1は17.3%(男性13.8%,女性21.7%),ロコモ度2は4.5%(男性3.2%,女性6.1%)で,男性に比べ女性の割合が有意に高かった.生活習慣と関連がみられた項目は,男性でBMI,「日常生活における歩行又は同等の身体活動を1日1時間以上実施」であった.女性ではBMI,「1年間の体重の増減が±3kg以上あった」,「夕食後に間食をとることが週3回以上ある」であった.健診受診者を対象としたロコモ25の導入は,運動機能評価のスクリーニングに活用可能と考えられた.ロコモの点数が高い健診受診者で,BMIが高い,体重増減,運動習慣がない,食事のとり方などに問題がある場合には,運動機能低下予防と維持の早期介入への取り組みが必要であろう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度より、ほぼ同一の健診受診者に対してロコチェック25調査を継続している。縦断的な検討を実施し、各種検査値、生活習慣および栄養・運動との関連を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
運動機能の低下は女性に多く、保健指導は男性に効果があることが示された。この原因について、引き続き解析・検討をする。また、住民健診データは2001年度から17年間継続受診した対象者について、各種検査値および疾患リスクの評価を行う。継続受診者のうち、特定健康診査・特定保健指導の該当者については、指導の有無による検査値の改善、指導の効果についても検討を進める。さらに、第三期特定健康診査・保健指導による保健指導への取り組みの違いに若干変更がみられるが、今後の研究遂行にあたって柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
2019年度より論文作成作業に入るため、文献複写や英訳校正にかかる費用が必要となるため。
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Research Products
(5 results)