2019 Fiscal Year Research-status Report
職域および住民健診受診者のメタボとロコモの発症・増悪リスクに関する長期縦断研究
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16K19253
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
熊谷 貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90405720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 特定健康診査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、職業別ロコモ25の評価と生活習慣の関連、保健指導時の質問紙と対象者の特性について検討した。2017年度にロコモ25回答者6,391名(男性3,798名、女性2,593名)について、性別×職業別に検討した。ロコモ25の点数が高い職業は、男女とも生産工程職であった。生活習慣の関連は、生産工程職の男性は「1年間で体重の増減が±3㎏以上」、女性は「ほぼ同じ年齢の同性と比較した歩く速度」であった。職業別に身体活動や作業動作が異なり、運動機能低下予防と維持の介入は職業と生活習慣に着目し受診者にマッチした検討が考えられた。 また、保健指導の質問紙を従来の「はい」、「いいえ」から、コミットメント型の「現在している」、「できる」、「できない」の選択肢を用いた場合の、モチベーションアップの効果を検討した。2016年度に特定健康診査保健指導を受けた1,631名(男性1,067名、女性564名)を対象とした。肯定的回答の割合は33項目で有意となった。「できない」という選択肢が肯定的な選択肢を選ばせているのではないかと考えられた。コミットメント型選択肢の質問を行うことにより保健指導に対するモチベーションを自然に高める使い方は有用であると思われる。さらに対象者の特性を把握するため保健指導の感じ方を検討した。初回面談時の最後に質問している「思い」についての聞き取りを単語に分解し、性別と年齢(64歳以下、65歳以上)の4区分について関連性を検討した。発話者の多い単語の上位3番は64歳以下の場合、男性「体重」、「減らす」、「健康」、女性「体重」、「減らす」、「健康」。65歳以上の場合、男性「維持」、「健康」、「減らす」、女性「体重」、「健康」、「減らす」であった。年代、性別で「思い」に異なる様相を示したが、結果の妥当性は保健指導者とともに検討し他の年度の「思い」についても同様の解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産休、育児休業取得のため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、運動機能の低下は女性に多く、保健指導は男性に効果があることがみられた。今年度は、さらに職業や生活習慣との関連がみられた。また、保健指導時の質問の聞き方や、対象者自身の特徴や健康に対する「思い」の違いが性別×年齢によっても異なることがみられた。この原因について、引き続き解析・検討をする。また、住民健診データは2001年 度から17年間継続受診した対象者について、各種検査値および疾患リスクの評価を行う。継続受診者のうち、特定健康診査・特定保健指導の該当者については、 指導の有無による検査値の改善、指導の効果についても検討を進める。さらに、第三期特定健康診査・保健指導による保健指導への取り組みの違いに若干変更が みられるが、今後の研究遂行にあたって柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
産休、育児休業により学会参加を取りやめたため。また、それに伴いロコモティブシンドローム評価のためのアンケート調査を一時中断したため、集計作業による人件費の執行を中断した。次年度は、中断期間中のデータ入力作業等を進める。
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Research Products
(6 results)