2021 Fiscal Year Research-status Report
職域および住民健診受診者のメタボとロコモの発症・増悪リスクに関する長期縦断研究
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16K19253
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
熊谷 貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (90405720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 特定健康診査保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域・職域健診受診者を対象に,BMI区分と高血圧,脂質異常症,高血糖の危険因子の関連を横断的に検討した.2019年度に地域・職域健診受診者59,815名のうち,重複受診と29歳以下80歳以上を除く46,521名(男性24,135名,女性22,386名)を対象とした.性,年代別,BMI区分ごとに,高血圧,高LDL血症,低HDL血症,高中性脂肪血症,脂質異常症,高血糖の割合を算出した.BMIの区分は,16.0未満,16.0~17.9,18.0~19.9,24.0~25.9,26.0~27.9,28.0~29.9,30.0kg/m2以上とした.また,多重ロジスティック回帰分析により,年齢,性別,喫煙の有無を調整し,BMI20.0~24.0kg/m2を基準としたBMI区分のオッズ比を求めた.喫煙率は,男女の30~39歳で高かった(男性54.3%,女性20.1%).BMI18.5kg/m2未満の痩せは,男性70~79歳で3.8%,女性30~39歳で15.0%,25.0kg/m2以上は,男性40~49歳で39.7%,女性70~79歳で25.3%と高かった.BMIとの関連は,高血圧はBMI30.0kg/m2以上でオッズ比は7.17(6.54-7.87)であった.高LDL血症は,他の指標と比べると弱かった.低HDL血症,高中性脂肪血症,脂質異常症は,BMI24.0~25.9kg/m2でオッズ比が2.06(1.75-2.42),1.82(1.70-1.94),1.74(1.65-1.83)と高く,BMIの上昇とともに関連も強くなる傾向にあった.高血糖は,BMI28.0~29.9kg/m2のオッズ比が2.92(2.62-3.26),BMI30.0kg/m2以上になるとオッズ比は5.21(4.71-5.78)と上昇した. 先行研究と同様に,BMI24.0~25.9kg/m2から各種疾患に関する危険因子のオッズ比は上昇していたが,特に低HDL血症の場合のオッズ比は2を超えていた.また, BMI30.0kg/m2以上で,オッズ比が5-7と非常に高い関連もみられた.メタボリックシンドローム該当者と非該当者、ロコモティブシンドローム該当者と非該当者での違いも検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、コロナによる健診受診者の減少やアンケート回答への協力など、当初は予期していない事があった。現在は、健診受診者も徐々に戻り、コロナ以前の状況に戻りデータなども収集できている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、健診データの収集とロコモチェック25のアンケートの回収を行う。ロコモ25アンケートが過去5年間揃いつつあり、後ろ向きコホートを実施し、当初の予定である体重±3㎏に対する解析、また、体重増減に対するリスクを解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画では、学会発表や論文発表を実施する予定であったが、学会は全てオンライン開催となり旅費に対しての経費の執行はなかった。また、論文については現在作成中であり、論文校正費用等の執行も行わなかった。 来年度は、学会については引き続きオンライン参加、論文は英文校正と投稿を行い、適切な研究費の執行を行う。
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Research Products
(2 results)