2017 Fiscal Year Annual Research Report
The prevalence of asymptomatic norovirus infection among adults in Japan: Large scale prospective cross-sectional survey
Project/Area Number |
16K19261
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
小林 大輝 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 講師 (30769617)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ノロウイルス / 不顕性感染 / 大規模調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では補助対象期間内に下記の通り、予定通り研究を終了した。具体的には、2017年2月より2018年1月までの通年を通して、4635検体の便検体の収集を行った。全例に対してポリメラーゼ連鎖反応を行いノロウイルスの有無を確認した。そのうち、GI陽性が107(2.31%)件、GII陽性が117件(2.52)で、GI及びGIIがともに陽性になったものは1件であった。継時的変化としては、GIは通年で検出率は同程度であったが、GIIに関しては夏季に多い傾向であった。これらの結果をもとに記述的解析を行い、論文作成中であり、近日中に学術雑誌に投稿予定である。また、同時に得られた患者情報や既往歴、血液検査所見を合わせて、複数の論文作成を行う予定である。 本研究は、世界的にも初めてであるノロウイルス不顕性感染大規模調査になる。結果としては、過去に少数の報告があった2-10%程度のノロウイルス不顕性感染率と同程度の結果であり、信頼性がおける結果であると思われる。一般的には冬季にノロウイルス感染自体は増えると考えられるが、本研究では夏季にノロウイルス不顕性感染が多く認められたことも新しい発見である。これは、調査年内に例外的に夏季にノロウイルス患者が多く報告されていることと関連があると考えられる。すなわち、何らかの原因で夏季にノロウイルス顕性感染者が増え、それに伴い不顕性感染者が増えた可能性がある一方で、その逆もあり得ると考えられる。今後精査し、更なる議論が必要である。
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