2018 Fiscal Year Research-status Report
職域での糖尿病重症化予防のための受療行動促進に向けた保健指導プログラムの効果検証
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16K19264
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 智久 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (40525466)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 産業保健 / Crude coverage / Effective coverage |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、糖尿病の受診勧奨・継続受診を目的とした、多企業参加型の介入研究であり、職域における糖尿病者の受診勧奨・継続受診を促す介入プログラムを開発・効果検証を行うことを目的とした。 2018年度は、要受診レベルの人への対応方法について検討した。医療サービスが必要な人が適切に医療機関に受診しているか否かをCrude coverage (CC) という指標で明らかにした。その結果、某製造業では専属の産業保健スタッフがいる事業所でCCが高血圧は有意に高く(aOR 1.28: 95%CI 1.07-1.54)、糖尿病と脂質異常症は有意な差を認めなかった。(糖尿病 aOR 1.17: 95%CI 0.85-1.62、脂質異常症 aOR 1.00: 95%CI 0.89-1.13)。一方で、医療サービスが必要な人が良好なコントロールとなっている人の割合をEffective coverage(EC)という結果指標で評価した。その結果、専属の産業保健スタッフがいる事業所でECは、高血圧・糖尿病において有意にECが高率であったが、脂質異常症については有意な差を認めなかった。(高血圧aOR 1.41: 95%CI 1.20-1.66、糖尿病aOR 1.53: 95%CI 1.17-2.00、脂質異常症aOR 1.11: 95%CI 0.92-1.34)。 この結果より、糖尿病において、産業保健スタッフの介入が血糖コントロールに良好な影響を与えていることがわかった。また、Crude coverage, Effective coverageが企業における生活習慣病管理の指標として有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
10万人を超える約20社からなる大規模コホートにおけるベースライン調査は終了し、おおむね順調に進行していると考える。一方で、企業によって産業保健スタッフの数や配置、保健指導や健診事後措置の実施方法にばらつきがあり、糖尿病者の受診およびその継続(受療行動)を促進するためのプログラムを企業横断的に標準化して介入することが困難であることがわかった。そのため、企業の健診事後措置の実施方法をより詳細に調査し、その効果について企業内の事業所毎に分析・効果検証した。2018年度は他のフィールドも調査対象として検討を拡大した。2019年度に本研究を延長し、参加企業への説明および研究結果の公表(論文化)を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年4月~9月:参加企業への結果説明、論文化 2019年10月~2020年3月:論文投稿
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Causes of Carryover |
2018年度に研究フィールドを拡大し、参加企業への結果説明および結果のとりまとめが2019年度も継続する必要が生じたため。なお、2018年度の予算は出張を効率的に行うなど、節約することができたため、その余剰分を2019年度の活動予算にあてることとした。
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Research Products
(3 results)