2017 Fiscal Year Research-status Report
住民および行政等と協働した地域ぐるみのフレイル予防の有効性評価に関する研究
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16K19282
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Research Institution | Japan Association for Development of Community Medicine |
Principal Investigator |
野藤 悠 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), ヘルスプロモーション研究センター, 研究員 (10626047)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレイル予防 / ポピュレーションアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、兵庫県養父市で平成26年度より実施している「シルバー人材センターの会員が各行政区に出張しフレイル予防教室を運営する」というフレイル予防施策の有効性を評価し、直面した課題やその解決策など実施に際するノウハウを“見える化”することにより、他地域にも応用可能なモデルを提案することである。 今年度は、ポピュレーションアプローチの評価モデルとして提案されているPAIREM(RE-AIMの改変モデル)の枠組みに沿って、Plan(計画)、Adoption(採用)、Implementation(実施)、Reach(到達度)、Effectiveness(効果)、Maintenance(継続)の各項目について取組み開始3年後の評価を行った。効果評価にあたっては、兵庫県養父市在住の65歳以上の男女8157名を対象に郵送調査法によるフォローアップ調査を実施し(有効回収率85.7%)、フレイル(簡易版虚弱指標)、食習慣や栄養状態(食品摂取多様性スコア、BMI等)、身体活動、社会参加状況等に関する情報を収集し、教室参加の有無別にフレイルの要因となる運動、栄養、社会機能の変化、およびフレイルの発症率を評価した。さらに、取組みの効果を定性的に分析するために、教室参加者(20名)および、シルバー人材センターの会員(6名)を対象に、意識や行動の変化について、半構造化面接法によるフォーカスグループインタビューを実施した。また、現場固有のノウハウを可視化するために、教室の様子や問題事象の有無とその対応などを記録した活動記録をもとに、専門職が行った支援の内容やそのタイミングを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、兵庫県養父市在住の高齢者を対象にフォローアップ調査を実施することを最重要課題としてあげていた。調査は予定通り実施でき、平成30年度に実施予定であった効果評価のためのデータセットの作成や分析、研究成果を養父市民に還元するための研究成果をまとめたリーフレットの作成、および、養父市役所の職員を対象にした研究成果報告会もすでに終了している(リーフレットは平成30年6月に市広報とともに全戸に配布予定)。以上のことから、本研究は予定以上に進行していると自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成30年度は、下記の1)~3)に示すとおり、これまでに得られたデータをとりまとめ、他地域で同様の取組みを行う際に参考となるよう『フレイル予防実践マニュアル』を作成する。 1)効果評価の分析:フォーカスグループインタビューで得られた音声データをもとに逐語録を作成し、取組みの効果を定性的に分析する。 2)他地域への応用可能性の検討:プログラムの改良点や他市町村への普及にあたっての課題、波及用件等を検討する。 3)『フレイル予防実践マニュアル』の作成:取組みを継続し発展させる過程で直面した課題やその解決策、専門職の関わり方等についてのノウハウ、他地域に応用する際の留意点等をまとめたマニュアル書を作成する。
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Research Products
(5 results)