2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K19284
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新城 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10707285)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域医療 / 医療資源 / DPCデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、研究に必要なデータベースを構築した。分析内容に合わせて患者群を設定し、医療業務データであるDPCデータから抽出して解析用データベースを構築した。なお、DPCデータは連結可能匿名化(連結キーは医療機関のみが保有)されていて個人情報は含まれていない。さらに、公的統計調査のデータをE-STAT等から収集して二次医療圏ベースでのデータベースを作成したほか、病院単位のデータとして、病床機能報告の公表データや厚労省DPC評価分科会にて公表されている病院単位のデータを収集してデータベースに加えた。また、病院財務データについては収集が完了した。 地域医療資源の格差がアウトカムにどのような影響を与えているのか、解析を実施した。具体内容の一つとして、精神科領域の患者を対象として分析を実施した。長期在院日数をアウトカムとして設定し、患者・病院要因を説明変数として統計モデルにより分析したところ、各種高齢・低GAFスコア、精神保健福祉法による入院形態、特定の精神医療サービス等の患者因子に加え、教育病院、公的病院、人口あたり地域精神病床数が多いこと等の病院因子が長期在院日数と関連していることを明らかにした(人口あたりの地域精神病床数が少ないと、新規入院患者受け入れのためにより早期の退院を強いられている可能性が示唆され、より精緻な分析が必要と思われる)。本研究結果は執筆が完了し投稿・受理された。 急性心筋梗塞領域およびがん領域についてはデータベースの成形とクリーニングを実施しているところであり、複数の領域において検討を進める準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者との予定があわずに打ち合わせの日程が確保できなかったため、当初計画と取り組む順番を変更しているが、全体の計画からみると概ね順調に推移している。(平成29年度実施予定の内容の一部と、平成28年度実施予定の内容の一部の実施時期を入れ替えた) また、研究を進める上で、新規に公的統計の特別集計(公表されていないデータ)の取得必要性が明らかになり、取得手続きを来年度実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画と少し取り組む内容の順番が異なるものの、本年度は、データベース構築と予備的な検討および一部の詳細分析を実施することができた。次年度には、研究を進める上で必要であることがわかったデータ(地域別・主な診療領域別・病院/診療所の医師数等。E-STATで公表されていない内容)を統計法の目的外利用の申請またはオーダーメイド集計により取得しデータベースの拡充を図るほか、病院経営に関するデータをデータベースに追加する予定である。これらのデータを加えて、より疾病別のより詳細な分析を進める予定としている。
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Causes of Carryover |
大きな理由としては次のとおりである。 ・当初、データベース作成の業務の外部委託(謝金支出)を予定していたが、適切な委託先を確保できなかったため自ら実施した。 ・
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月から所属研究機関の変更に伴う解析環境の変化に伴った必要な物品の購入を行うほか、保守期限が迫っている資産の更新、公的統計のオーダーメイド集計に関連する費用のほか、学会参加による専門領域情報の収集および共同研究者との打ち合わせを中心として支出を予定している。
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Research Products
(2 results)