2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel and weighted scale for measuring functional prognosis of cerebral infarction patient -application of Conjoint analysis-
Project/Area Number |
16K19288
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石塚 直樹 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10725485)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Conjointb分析 / 脳梗塞 / modified Rankin Scale |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、Conjoint分析を用いて、modified Rankin Scale(mRS)に基づいた本邦で初めての定量的な脳梗塞患者に対する機能予後評価スケールを開発した。 mRSの内容を分解し、①神経徴候、②発症前の仕事、③外出、買い物、④歩行、⑤食事、⑥整容、⑦排泄の7つの評価項目を抽出し、それに対して2~3項目の具体的な内容(カテゴリー)を設定した。各評価項目の異なる組み合わせからなる模擬患者18例を創出し、各患者の状態を示すカード(模擬患者カード)を作成した。模擬患者カードを医師20名、看護師34名から、機能予後が不良と考えられる順に順位付けを依頼し、それをもとにConjoint分析を行った結果、相対重要度は歩行21.1%、排泄19.8%、食事18.3%、発症前の仕事11.6%、外出・買い物10.6%、整容9.3%、神経徴候9.2%であった。これをもとに重みづけされた評価項目からなるスコア:Quantified Functional Scale after Stroke(QFSS)を作成した。 QFSSスコアは評点が0(機能予後良好)~22.6点(機能予後不良)の間で変動する比例尺度であり、これを用いて脳梗塞急性期の症例30例の評点を行い、mRSと比較した。スコア低値例はmRSでは軽症例、スコア高値例はmRSでは重症例が多かった。しかし、mRS 3と判定された症例の中にはQFSSスコア上では、mRS 2または4の症例に含まれる症例が散見された。またmRS 3から2に改善した症例は、かならずしもQFSS Scoreの点数が反映されておらず、QFSSのスコアとmRSの重症度に乖離がみられた。このことからmRSが患者の状態を適切に判断できていない可能性が考えられた。 今後症例数をさらに増やし、その妥当性と有用性を検証する必要がある。
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