2017 Fiscal Year Research-status Report
医療機関の安全管理等の諸活動におけるレジリエントコンピテンシーに関する研究
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16K19290
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
村上 玄樹 産業医科大学, 大学病院, 講師 (50549756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レジリエントコンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的な医療行為では、対象が広くなりすぎ、レジリエントコンピテンシーを測定するための、標準的な業務を定義しづらくなるために、本研究において、医療安全として重視され、モニタリングが推奨されている、廃血栓症・深部静脈血栓症(以下、DVT)を対象とした、リスク評価および、予防隊枠を収集し、事前の準備を行う業務フローをもとに、DVT発生が起こった際の対応について、後ろ向きに調査、分析を行うことで、対応することとした。 その結果、多くの患者に対し、DVTのリスクを事前に評価をし、その評価結果に基づく予防策を実施されていた。その一方で、リスク評価をされていない患者やリスク評価に基づき推奨される予防策が実施されていない患者も若干見られた。推奨される予防策が実施されなかった患者の大半がリスク評価以上の出血のリスクが医師の判断で高いとされた症例であり、この観点において、形式的なリスク評価に頼るだけでなく、患者を個別に判断し対応を行うという、レジリエントコンピテンシーが発揮されたと考えらえれる。また、リスク評価が行われてない患者であっても、病棟の現場にいおいて術式等を鑑みて、男性ストッキングの着用やその他DVTの予防対策を実施されている症例がみられ、そこでもレジリエントコンピテンシーが発揮され、DVTの予防に寄与していたことが示唆された。 来年度に向けては、医療機関と交渉し、いくつかのDVT発症症例を対象とした、分析が可能となれば、レジリエントコンピテンシーが発揮されなかった症例の調査を行い、比較分析を実施する予定である。許可されなかった場合には、レジリエントコンピテンシーが発揮され、予防できた症例をさらに検討し、レジリエントコンピテンシーの類型化を進め、教育ツールへとつなげることを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象を限定したために、関連する部署や具体的な医療現場が想定され、協力及びデータ解析がスムーズに行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
医療機関と交渉し、いくつかのDVT発症症例を対象とした、分析が可能となれば、レジリエントコンピテンシーが発揮されなかった症例の調査を行い、比較分析を実施する予定である。許可されなかった場合には、レジリエントコンピテンシーが発揮され、予防できた症例をさらに検討し、レジリエントコンピテンシーの類型化を進め、教育ツールへとつなげることを検討している。
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Causes of Carryover |
国際学会への発表が次年度にずれ込んだ関係で、予算執行の年度が変更されたため。 本年度に国際学会での発表を実施するため、最終的な予算執行は変更しない予定である。
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