2017 Fiscal Year Annual Research Report
Localization analysis of microRNAs relating to sudden cardiac death in conduction system of the human heart
Project/Area Number |
16K19300
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
垣本 由布 東海大学, 医学部, 講師 (40734166)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 心臓性突然死 / 心肥大 / miRNA シーケンス / miR-221 |
Outline of Annual Research Achievements |
心肥大を伴う心臓性突然死(SCH、n=10)、生理的心肥大(CCH、n=8)、心肥大のない健常例(Con、n=8)の剖検心臓組織を用いて解析を行った。3群間で年齢・性別に有意な差はなかった。心重量は、各群450±15、478±18、325±19 g。身長で補正した心重量は2.7±0.1、2.9±0.1、2.0±0.1 g/cmであり、SCHとCCHはいずれもConと比較して有意な心肥大所見を示した。また、左室全周性に組織標本を作製し、顕微鏡下で測定したところ、心筋径が22.1±1.0、18.8±0.8、13.6±1.6 μm、核径が、8.4±0.7、7.5±0.6、5.2±0.5 μmと、SCHとCCHの心筋肥大所見が確認された。ただし組織学的にSCHとCCHに有意な差は認めなかった。 次に各群それぞれ4症例の凍結心臓組織(左心室自由壁)から抽出したRNAを、次世代シーケンサーMiSeqを用いて網羅的に定量解析を行った。その結果、ライブラリ平均2,644,048リードのヒトmiRNAがシーケンスされ、240種のmiRNAが共通して検出された。このうちSCHとCCH間で発現量に差が見られた8種のmiRNAについて、リアルタイムPCRで定量分析を行ったところ、miR-221がSCHで有意に増加していることが確かめられた。 in vitoroおよび動物実験では、miR-221はオートファジーを阻害して心肥大と心不全を引き起こすことが知られており、本研究で明らかとなったSCH患者におけるmiR-221の増加も心筋クリアランス不全を表すものと推定される。miR-221が心肥大症例における突然死のリスクマーカーとなる可能性が示された。
|