2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K19307
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 伸弥 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80710996)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 介護負担 / 感情表出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は認知症患者家族の患者に対する態度が患者病状、特に認知症の周辺症状に影響を与えるという仮説に基づき、感情表出調査を認知症患者・家族に行うものである。感情表出とは患者と家族の人間関係を理解するために作られた概念で、家族の患者に対する態度、患者の役割に対する期待、疾患に対する態度、疾患解釈モデル、社会関係など多様な要因が影響すると言われている。また、感情表出は統合失調症をはじめとした多くの精神疾患の病状に影響を与えることが先行研究によって示されている。 本研究では感情表出の認知症家族患者における状態およびその関連因子を調査し、また感情表出がどのように認知症の進行や問題行動の発症に影響を与えるのかを調査することを目的とする。 本年度は研究実施前に認知症や認知症患者介護負担について研究・臨床経験のある医師、研究者および認知症患者・家族から聞き取り調査を行い、研究の内容、実施可能性について再評価を行い、予定していた東大老年病科もの忘れ外来来院者・認知症精査入院患者対象の感情表出、介護負担、患者問題行動評価について質問項目、実施予定研究項目の整理を行った。患者、介護家族にとって負担が大きいと考えられる調査項目などについては実施中止とし、栄養状態など近年の研究によって重要と判明した項目については追加して実施することを決定した。また、研究実施にあたって協力を得る東大老年病科所属臨床心理士と打ち合わせを行い、研究実施体制を整えた。その後東京大学医学部倫理審査委員会の承認を得て患者・介護者家族への同意取得・調査を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究体制の確立、東京大学医学部倫理審査委員会からの承認を得るために当初の想定以上の時間を要しており、本年度終了時の予定症例数をやや下回っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は研究実施体制は整っているため、引き続き東大老年病科もの忘れ外来来院者・認知症精査入院患者を対象として研究への参加を呼びかけていく。
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Causes of Carryover |
研究に用いる心理検査用紙の使用が予定よりも若干少なかったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に参加した参加者を対象として心理検査を行う事とし、次年度使用額はその際の心理検査用紙購入にあてることとする。
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