2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of choreito, a formula from Japanese Kampo medicine, for hemorrhagic cystitis
Project/Area Number |
16K19311
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川島 希 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30772264)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 漢方医学 / 猪苓湯 / 小児血液・悪性腫瘍 / 造血細胞移植 / 出血性膀胱炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに臨床研究では造血細胞移植後BKウイルスとアデノウイルスによるウイルス性出血性膀胱炎やイホスファミドなどアルキル化剤誘発性出血性膀胱炎に対して、猪苓湯エキス製剤が止血期間を有意に短縮して、特に後者では出血以外の膀胱炎症状も有意に短縮することができるという後方視的研究の成果を報告してきた。臨床所見や画像所見の比較検討では、猪苓湯エキス製剤が有効であった例では、膀胱炎を示唆する膀胱周囲結合組織の毛羽立ちは改善するが、もう一つの膀胱炎の画像所見である膀胱壁肥厚は改善する例も改善しない例もあることが判明した。以上より、猪苓湯エキス製剤は膀胱ならびに膀胱周囲組織を標的として作用を有することが示唆された。 これらの臨床研究の結果から、今期の研究ではこの治療効果の機序を解明するために、アルキル化剤(シクロホスファミドおよびイホスファミド)投与によりマウスに出血性膀胱炎を惹起させて、それに対して猪苓湯エキス製剤が止血効果を有するのかどうか、治療モデルの作成を試みた。シクロホスファミド腹腔内投与では既報の投与量により膀胱出血を惹起しようとしたが、少量投与例では対照群においても膀胱出血をきたさず、増量投与例では恐らく薬剤性骨髄抑制作用に起因すると考えられる貧血あるいは感染症により死亡する結果であった。この薬剤性骨髄不全症に対して猪苓湯エキス製剤は骨髄保護的な効果や造血効果が見られなかったと考えられるが、膀胱出血に対して止血効果があるかは検討できなかった。イホスファミド腹腔内投与例でも同様の結果であり、いずれの治療モデルにおいても止血効果を証明することができなかった。
|
Research Products
(13 results)