2017 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological study of frontotemoral lobar degeneration
Project/Area Number |
16K19312
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
足立 正 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (50555711)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前頭側頭葉変性症 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭側頭葉変性症(FTLD)は,アルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症,血管性認知症についで多いとされる認知症の一つである.FTLDは臨床的には,行動障害型前頭側頭型認知症bvFTD,進行性非流暢性失語PNFA,意味性認知症SDに分類される.FTLDは蓄積蛋白により,FTLD-tau,FTLD-TDP,FTLD-FUSなどに分類される.FTLDは若年発症の主たる原因の変性疾患の一つであり,若年者が認知症になることで社会的損失は著しい.これまで,FTLDの地域疫学調査は限られた研究しかない.また,近年FTLD発症危険因子として,頭部外傷,低学歴,職業歴の低さなどが海外から報告されている.そこで,日本においてFTLDの発症危険因子,進行促進因子を探索することで予防的介入を行うことが必要と考えた.これまで行ってきた疫学調査委により,各臨床病型毎の内訳は,bvFTD29例,SD6例,PNFA9例,FTD-MND2例,FTDP17 1例であった.その中で,SD6例について詳細に臨床経過を追うことができた.SD6例(男性5例,女性1例)の平均発症年齢は64.2歳,全例家族歴はなく,頭部外傷例はいずれもなかった.また,高血圧,糖尿病,脂質異常といった血管系危険因子もいずれも認めなかった.教育歴は平均11.83年であった.職業歴は6例中2例が無色,その他4名のうち2名は社会的地位の高い仕事であり,残り2名は一般的な職業歴であった.脳脊髄液検査の解析ができたのは6例中3例であり,1例はADパターン,2例はAbeta低下なし,総タウ上昇を認めた.以上より,本邦のSD患者においては,家族歴,血管性危険因子,頭部外傷の既往は発症危険因子,進行促進因子とは考えにくいと考えられた.
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Research Products
(4 results)