2016 Fiscal Year Research-status Report
過敏性腸症候群の未患者に対する携帯情報端末を用いた認知行動論的介入は有効か?
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16K19323
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
藤井 靖 明星大学, 人文学部, 准教授 (50508439)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / 消化器心身症 / ストレスモデル / 認知行動論的介入 / エクスポージャー / 携帯情報端末 / 機能性消化器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,代表的な消化器心身症である過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome; 以下IBS)の患者を対象として,心理的ストレス状況化における携帯情報端末を用いたリアルタイムでのストレス認知や行動の修正を意図した認知行動療法の技法適用が,どの程度症状低減効果を有するのか,ということについて検討することを目的としている。 平成28年度は,国際的な診断基準であるRomeIIIに基づいて作成された自己記入式質問紙を用いて成人を対象としたスクリーニングを行う予定であったが,2016年5月の米国消化器病週間(DDW)にて新しい診断基準であるRomeIVが正式に刊行され,それに基づいた新たな質問紙作成の必要性が生じた。そのため,まずはRomeIVに関わる資料の収集と,情報の整理を行い,新基準に基づいた自己記入式質問紙を作成したことが本年度の一つの実績である。 加えて,本研究では既に検討が終了している,研究代表者が行った未患者を対象とした研究の結果を前提として治療プログラムが想定されているが,当該の先行研究はRomeIIIに基づいて抽出した群だったため,本研究で対象とする新基準に基づく集団と質的に均質がどうかを検討する必要性が生じた。そこで,まずはパイロット的に数名の患者をスクリーニングし,IBS症状,疾患特異的QOL,生活習慣,複数の心理社会的因子について査定し,診断基準の新旧との関係を検討した。その結果,対象となった集団においては,診断基準の違いによる抽出精度の差は認められず,先行研究を基盤とした本研究の介入計画は一定の妥当性を備えていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年5月の米国消化器病週間(DDW)にて,本研究の対象であるIBSをスクリーニングするための新しい診断基準であるRomeIVが正式に刊行され,情報の収集と対象者選定方針の再検討が必要となったため。また伴って,新旧の診断基準によって抽出される集団の質的な差異について検討した上で,介入プログラムを施行する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては,本研究の大きな目的である,IBSのストレス認知や行動修正を意図した心理学的介入の効果検討を進めていく。具体的には,携帯情報端末を利用したワークシートへの取り組みによって,消化器症状や疾患特異的QOLにどのような影響が及ぼされるのかを検討する。
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Causes of Carryover |
2016年5月の米国消化器病週間(DDW)にて,本研究の対象であるIBSをスクリーニングするための新しい診断基準であるRomeIVが正式に刊行され,情報の収集と対象者選定方針の再検討が必要となった。また伴って,新旧の診断基準によって抽出される集団の質的な差異について検討した上で,介入プログラムを施行する必要があった。以上のことから,計画が若干遅れたことに伴って使用計画が後ろ倒しになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
治療プログラム施行にあたり,対象者へのインストラクションに必要な大画面モニターや,携帯情報端末等の購入,資料の印刷費,データ入力のための謝金,研究協力者への謝礼等として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)