2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K19324
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中井 正人 北海道大学, 大学病院, 助教 (40756003)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DNAセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の肝細胞株各種肝細胞株(HepG2,HepG2.2.15.7,HuH1,HuH6.5,HuH7.5,HLE,HLF)およびHEK293などからTotal RNAを抽出し、RT-PCRを行いcDNA合成を行った後、定量PCR法にて各種DNAセンサー分子(DDX41、MAVS、STING、cGUS、DAIなど)の発現を評価した。(特に、DNAセンサー分子としてDDX41分子に着目し、この発現の多寡を定量PCR法にて確認した。)また、各種肝細胞株に対してTransient transfectionを行うためのsiRNAを設計した。 コントロールと比較して、各肝細胞(HepG2,HepG2.2.15.7,HuH1,HuH6.5,HuH7.5,HLE,HLF)においてDDX41の発現は有意に高く、特にHepG2.2.15.7細胞では多い結果であった。 前年度までに、HepG2.2.15.7細胞もしくはHepAD38.7細胞の上清を濃縮、フィルトレーション、23%NACLおよび50%PEG8000を用いた沈殿法にて作成した感染実験用のHBVウイルス濃縮液を用いて、HBV感染許容細胞株であるNTCP-HepG2-C4細胞株へ感染実験を、14日継代し細胞を回収後、HBV-DNAおよびHBV-RNAを定量PCRで測定し、感染性を確認した。最終的にある程度評価可能な感染タイターを得ることができた。 また、恒常的なDNAセンサー分子をノックダウンした細胞株として、DDX41に対するshRNAを含むレンチウイルスを作成した。このレンチウイルスをコントロールのHepG2細胞株、およびNTCP-HepG2-C4細胞株に対して感染させ、恒常的なDDX41ノックダウン細胞株を作成した。これを複数回継代し、安定させた後、下記の感染実験を施行した。 上記のHBVウイルスを用いて感染実験を施行した結果、DDX41を恒常的にノックアウトしたNTCP-C4-HepG2細胞においては、ノックアウトしていないNTCP-C4-HepG2細胞において、HBV-RNAおよびDNAが、HBV感染暴露後に早期、かつ2倍程度高値に増加する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DDX41以外のセンサー候補分子の恒常的ノックアウト細胞、強制発現細胞の樹立に時間を要しているため
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、DNAセンサー分子としてDDX41が、HBVの感染性に関わることがin vitroの結果から考えられる結果を得た。強制発現細胞による実験や、その他HBs抗原量の評価、免疫染色などの実験はまだ中途段階であり、今後はこれらの結果確認を行うことが必要となる。そのほかの分子に関しても、ノックアウト、強制発現細胞の樹立を行い評価を行う予定である。また、その機序に関しては残念ながら現段階では明らかでないが、今後の研究によって明らかにしていく予定である。強制発現細胞の樹立方法の変更なども検討し、実験を推進していく。
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Causes of Carryover |
(理由)当初よりも実験進行が遅れているため (使用計画)実験進行に応じて必要物品の購入を行うとともに、学会にて実験の遂行に必要な情報収集を行う。
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