2019 Fiscal Year Annual Research Report
New therapeutic strategy toward circadian dysrhythmia induced NAFLD
Project/Area Number |
16K19356
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 浩司 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (30468160)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 概日リズム障害 / 時計遺伝子 / 胃排泄障害 / 脂質代謝障害 / NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
1)既報通り、時計遺伝子(RORA)の発現変化による脂質代謝障害は確認できた一方で,メラトニン分泌の発現リズムの変調は有するも1日総発現量は有意差を認めなかった。メラトニン分泌日内リズムの変調が脂肪肝形成に与える影響を検討するため、メラトニンを投与し日内リズムを近似させ脂肪肝形成に与える影響を検討したが、多少の是正は認めたものの有意差は認められなく(P=0.223)、RORAmRNA発現や下流の脂質代謝関連遺伝子発現においても2群間で有意差を得られなかった事から、メラトニン制御による脂質代謝/脂肪肝制御は困難である事が確認された。メラトニンと同様、睡眠調節と脂質代謝に寄与しているオレキシンにおいても有意差は認められなかった。PPAR作動薬として既に脂肪肝改善効果が報告されているチアゾリジンを用いてRORAmRNA発現に与える影響も検討を行ったが有意差は認められなかった。既存の薬剤において時計遺伝子RORAを調節する事ができる薬剤の発見に至らず、今後、RORA発現に影響を与える既存薬の発見や新薬開発が望まれる結果となった。 2)概日リズム障害マウスの胃排泄能遅延を認めた事から医療職健常ボランティア12名(日勤6名、シフトワーク6名)を対象に呼気テストによる胃排泄能検査を施行した所、シフトワーク群で多少の排泄遅延傾向を有するも有意差は認められなかった(P=0.189)。理由として、①ヒトの概日リズムは就労/生活環境以外の要因でも制御され、対象者個々の概日リズム障害の程度にばらつきを有している。②概日リズム障害マウスモデルと比較して今回検討に協力頂いたボランティアシフトワーカーの概日リズム障害の程度が軽い事が寄与している可能性が示唆された。タクシー運転手や消防署勤務者、海上自衛隊船内勤務者など、より顕著なシフトワーク業務に従事している対象者での検討が望まれる。
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