2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K19357
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
結束 貴臣 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30738620)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸管透過性 / NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態進展には血中エンドトキシン(ET)の増加が一つの鍵であると考えられ,その機序は腸管内フェカリバクテリウム(FB)低下に伴う腸管透過性亢進が関与することを検証することとした.基礎1)食事負荷NASHモデルマウスの便中細菌叢の評価を行いヒトNASHに類似するか検討する;食事負荷NASHマウスモデルに対して便メタゲノム解析を行い,健常肝マウスモデルと比較することで便中細菌叢の分布の違いを検討したところ、ヒト同様にFBの有意な低下を認めた。基礎2)食事負荷NASHモデルマウスを用いて単離したFB投与することで起きるNASH病態への影響を検討するとともにエンドトキシン濃度を検討する;食事負荷NASHモデルマウスにヒト糞便から単離精製したFBをマウスにを経口投与したところ、有意に血中ET濃度が低下していた。臨床1) ヒトNASH患者における便中代謝産物と便中ムチンの解析;ヒトNASH患者の便検体を用いて,便メタボローム解析を行ったところ、NASH患者では健常者に比較して、ビタミンB6の低下とともにカルボキシメチルリジン、コリン、トリメチルアミン、トリメチルアミンオキサイドの亢進を認めた。また,腸管バリア機能の評価のため便中ムチンを測定し線維化軽度群と線維化高度群に分類したところ便中ムチン濃度は有意な変化を認めなかった。 上記をまとめにより、NASHマウスモデルはヒトNAHS病態と同様にFBの低下を示しており、FBの補充によってETの有意な改善を認めた。また、NASH病態の進展により便中の代謝産物の変化(ビタミンB6の低下とともにカルボキシメチルリジン、コリン、トリメチルアミン、トリメチルアミンオキサイド)を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では平成28度中に、動物モデルにおける腸内細菌叢の解析とヒトNASH病態における便中代謝産物の解析を検討する予定であり、予定通りの進行である。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎分野ではFB投与下のNASHマウスモデルに対する腸管内代謝産物の評価、FB投与下のNASHマウスモデルに対する便中ムチンの変化を検討、FB投与下のNASHマウスモデルに対する腸管透過性の評価、タイトジャンクションを反映するmRNAやタンパクを検討することで腸管透過性亢進メカニズムの解明を行う。臨床分野ではFB投与下における腸管透過性亢進メカニズムをヒトで同様に再現できるか,尿中ラクツロース・マンニトール比を用いてヒトNASH患者のFB低占拠群とFB高占拠群における腸管透過性を評価する。
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Research Products
(10 results)