2016 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来肝前駆細胞の効率的な新規培養法の構築
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16K19370
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鶴谷 康太 東海大学, 医学部, 助教 (00725377)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 肝前駆細胞 / フィーダーフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の肝不全治療としてヒト人工多能性幹(hiPS)細胞を用いた細胞移植が期待されている。また、hiPS細胞を利用した技術は、細胞の品質の確保や、安定に大量供給する技術が求められている。申請者らは細胞表面分子(CD13及びCD133)の発現を指標に、hiPS細胞から高増殖性の肝前駆細胞を誘導・純化できることを報告している。本研究では、網羅的スクリーニングにより得た細胞表面分子のプロファイルに基づき、適切な添加因子と足場材料の選定を行い、hiPS由来肝前駆細胞のフィーダーレスかつ不明の因子を含まない効率的で安全な新規培養系の確立を目指している。hiPS細胞由来肝前駆細胞の網羅的な表面分子の検討より、サイトカインとしてEpidermal Growth Factor(EGF)、Neuregulin1(NRG1)の添加が重要であることを見出している。現在、足場材料としては、各種ラミニンに関する検討にて、ラミニン111上にて培養することで、hiPS/ES細胞由来肝前駆細胞が高い増殖能を維持できることが報告されており、我々も同様に培養可能な培養環境を構築した。今後、さらに高い未分化性や増殖能を維持しうるヒト型リコンビナントマトリックスの選定の検討を行う。また、標準化したchemically defined serum-free culture conditionの構築の為の検討を行い、hiPS細胞由来肝前駆細胞のより安全で、高効率な培養系の構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
hiPS細胞由来肝前駆細胞(CD13+CD133+分画)を既報のごとくラミニン111上にて培養することで、フィーダー細胞フリーの条件下で培養する環境を構築できた。同条件下でserum-freeでの維持培養の検討を行っている。また、さらに高い増殖能・未分化性を維持しうるヒト型リコンビナントマトリックスの選定の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、フィーダー細胞フリーの条件下でserum-freeでの維持培養の検討を行う。候補となるサイトカインや阻害剤を用いて、比較培養を行う。また、現状のFCSを用いた培養系では一部が未分化性を失っていると考えられ、さらに高い増殖能・未分化性を維持しうる培養条件・ヒト型リコンビナントマトリックスの選定の検討を行っている。
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Causes of Carryover |
物品費について予定金額を下回った。今後も必要な物品について購入していく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
申請通り、ヒトiPS細胞由来の分化誘導・培養系を用いて、肝幹・前駆細胞の増殖・分化の分子メカニズム解析を行う。そのための研究経費として、ヒトiPS細胞の維持・分化培養に必要な消耗品、サイトカイン等を想定している。また、研究成果の発表の為の、論文校正、旅費の支出を計画している。
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