2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of epigenetic modification by bile acid
Project/Area Number |
16K19375
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岡田 季之 久留米大学, 医学部, 助教 (10607328)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 炎症性腸疾患 / 胆汁酸 / 異所性発現 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病患者の特徴の1つとして、腸肝循環不全により胆汁酸が回盲部や結腸へ流出するが、病態形成に与える影響はよくわかってない。これまで、①ミルク由来の脂肪によって誘導されるタウロコール酸が腸内細菌を変化させ大腸炎を悪化させること、②粘膜固有層に存在するMDR1陽性CD4 T細胞は、胆汁酸によって活性化が抑制されること、③扁平上皮細胞株に胆汁酸処理するとAIDの発現が誘導されることが知られている。そこで、胆汁酸が大腸上皮細胞に作用することでAIDの発現が誘導されるのか、そして大腸上皮細胞において誘導されるAIDは、どのような役割を担っているのか明らかにすることを目的とする。 前年度までの結果より、培養細胞に胆汁酸処理することでAIDのmRNAの発現が誘導されることが示唆されたが、タンパクの発現は検出できなかった。そこで、AIDを過剰発現させた細胞株を用いて網羅的発現解析を行うことで、AID依存的に発現が変化する候補遺伝子を同定した。また、その候補遺伝子の中でB細胞におけるAIDの標的遺伝子を抽出したところ、16遺伝子を同定することができた。 平成30年度は、野生型とAID欠損型マウスに4% DSSを自由飲水させて大腸炎を誘導し、同定した遺伝子の発現がAID依存的に変化するか検討した。その結果、野生型とAID欠損型の間において発現に優位な差は認められなかった。そこで、次に大腸炎を誘導した野生型とAID欠損型マウスの大腸クリプトより精製したtotal RNAを用いて網羅的発現解析を行うことで、遺伝子発現プロファイルを比較検討した。その結果、培養細胞の実験系で単離した遺伝子のほとんどは含まれていなかった一方で、主に細胞外マトリックス関連分子の発現が優位に変化している可能性を示唆する結果を得た。今後は、AIDがどのようにこれらの遺伝子の発現を調節しているかについて解析を進める。
|
Research Products
(2 results)