2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism for the progression of coronary atherosclerotic lesion in IgG4-related cardiac disease
Project/Area Number |
16K19389
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 愛子 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (00721854)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / 臨床心臓学 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、申請者は、血清IgG4値が冠動脈有意狭窄や冠動脈低輝度プラークを認める症例で高値をとることを報告した(Sakamoto A. Clin Chim Acta, 2012; Sakamoto A. J Cardiol, 2016)。今回の検討では、血清IgG4値が、冠動脈形成術後の心血管イベント発生や、弁膜症、脂質代謝パラメータ、脂質代謝異常症や糖尿病に対する投薬状況とどのような関連があるか解析を行った。 冠動脈造影の結果、経皮的冠動脈形成術を施行した症例を対象に、治療前の血清IgG4値と心血管イベント発生の関連を検討したところ、治療前の血清IgG4値が高値の症例では、ステント内再狭窄を含めた心血管イベント発生を高率に認め、この関連は古典的冠危険因子と独立していた。一方で、血清IgG4値と大動脈弁石灰化や先天性心疾患の間に統計学的に有意な関連は見られなかった。 続いて、前年度よりも症例数を増やして血清IgG4値と脂質代謝パラメータとの関連を解析した。血清IgG4値は、血清HDLコレステロール値、中性脂肪値、LDLコレステロール/HDLコレステロール比、中性脂肪/HDLコレステロール比との間に有意な相関を認めた。血清IgG4値と血清LDLコレステロール値との間にも統計学的に有意な弱い相関が見られた。さらに、古典的冠危険因子に加え、LDLコレステロール/HDLコレステロール比、中性脂肪/HDLコレステロール比を共変量とした多変量解析では、血清IgG4値はハイリスクプラークに対する独立した危険因子であった。次に、スタチンやピオグリタゾンを内服している症例と内服していない症例では、いずれの場合も血清IgG4値に統計学的有意差を認めなかった。 以上の結果から、冠動脈プラーク脆弱性および冠動脈硬化性病変の進展に、IgG4関連免疫炎症学的機序が関与する可能性が示された。
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