2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between cardiovascular and muscular disorders via GATA4
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16K19397
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高谷 智英 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (00450883)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに得られた、骨格筋分化を著明に亢進するテロメア型の18塩基オリゴDNA「myoDN」について、その応用可能性をより臨床に近いモデルで検証した。糖尿病患者やがん患者はしばしば筋萎縮を併発するが、本年度の研究により、糖尿病患者から採取された筋芽細胞の分化が悪化していること、また、大腸がん細胞の分泌物が筋芽細胞の分化を抑制することを見出し、臨床的な筋疾患のin vitro培養細胞モデルを確立した。myoDNは、これらの筋萎縮モデル系において、悪化した筋芽細胞の分化を有意に改善したことから、代謝性疾患やがん悪液質によって生じる筋萎縮の予防や治療に有用な核酸分子であることが示された。また、myoDNの強力な筋分化誘導作用の再生医学的な応用可能性も検証した。myoDNをマウスES/iPS細胞に投与した結果、自発的に拍動する心筋細胞のコロニーが多数得られた。心筋マーカーの発現を解析した結果、分化誘導4日目以降にmyoDNを投与すると多能性幹細胞の心筋分化が顕著に促進されることがわかった。一方、分化誘導3日目にmyoDNを投与すると、対照群と比較して、心筋分化が完全に抑制された。以上の結果から、myoDNは、多能性幹細胞において心筋細胞への運命を決定する因子に作用し、筋分化を制御することがわかった。myoDNを投与するだけでiPS細胞の心筋分化が著明に誘導されることから、心臓再生療法や創薬スクリーニングに不可欠な心筋細胞の作成に貢献できると考えられる。
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