2016 Fiscal Year Research-status Report
コペプチンの心血管疾患に対する診断・予後予測マーカーとしての包括的役割の解明
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16K19401
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩見 紘樹 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50728037)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コペプチン / 心不全 / 急性冠症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度にあたるH28年度においては、予定していたブラームス社のコペプチンの試薬が不具合のため世界的に一時供給停止となってしまったため、後ろ向きの心不全コホート作成に注力した。具体的には、京都大学医学部附属病院循環器内科バイオマーカーバンク(2011年-2017年)より、長期予後調査が可能となる2011年4月から2012年7月の心不全入院患者連続120例をピックアップし、同症例の入院時血液検体を選別した。また、これらの対象症例に対し、診療録から既往症や併存疾患などの患者背景を調べるとともに、BNPをはじめとする各種血液検査所見と心臓超音波検査における各種心機能のパラメーターを調査収集した。さらに、長期臨床イベントに関する追跡調査を行った。 また、コペプチンの測定に関しては、ブラームス社以外の測定系の選定を行い、LSBio社の試薬を用いたコペプチンの測定を一部症例で開始した。 急性冠症候群を対象としたコペプチンの臨床的意義の検討については、限られた研究費で最大限の成果を出すために、後ろ向き症例での検討ではなく、前向きコホートのみで検討することとし、症例の登録を進めるとともに、急性冠症候群の診断が冠動脈造影で確認された症例については、来院6時間後及び来院12時間後の経時的なコペプチンの測定を行うことで、急性冠症候群発症後のコペプチンの経時的動態についても検討できるよう計画を一部修正し、症例の蓄積を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、H29年に予定していたブラームス社の試薬不具合による供給停止によって同社の試薬を用いたコペプチンの測定が困難となり、代替の試薬の選定等に時間を要した。しかしながら、H29年になり、代替試薬がみつかったことと、ブラームス社の試薬の供給が再開することなり、下半期については概ね計画通りに研究が進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年になり、ブラームス社の試薬の供給が再開されたため、同試薬によるコペプチンの測定を開始するとともに、代替として使用していたLSBio社の試薬を用いてのコペプチンの測定値との相関などを検討する。その上で、H29年度はH28年度に作成した心不全コホートのコペプチン測定を終え、心不全におけるコペプチンの臨床的意義を検討する。また、急性冠症候群の前向きコホートの登録も進め、コペプチンの急性冠症候群における意義に関する検討も進めていく。
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Causes of Carryover |
H28年度にブラームス社の試薬を用いたコペプチンの測定を後ろ向きコホート中心に多数例で行う予定であったが、同社の試薬がH28年度に試薬の不具合で供給が停止していたため、予定していた症例数の測定できなかった。しかしながらH29年になり試薬の供給が再開となったため、H28年度に予定していたコペプチンの測定をH29年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述の通り、本来H28年度に予定していた後ろ向き症例におけるブラームス社の試薬を用いたコペプチンの測定をH29年に行う予定である。
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