2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of intermittent compression in a mouse hindlimb ischemia model
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16K19408
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丸橋 達也 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (10727069)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血管新生 / 間歇的圧迫 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血性末梢血管障害に対し、カフを用いて、下肢血圧よりも高い圧で下肢の圧迫を行い低酸素状態とすることにより低酸素応答を誘導し、血管新生を促せる可能性がある。本研究では、マウス虚血肢に対する間歇的圧迫が、血管新生に及ぼす効果について検討した。C57BL/6マウスに下肢虚血モデルを作成し、独自に開発したマウス専用カフにて虚血下肢の間歇的圧迫を行い、Laser Doppler perfusion imaging (LDPI)による下肢血流評価を経時的に行った。さらに、筋切片の免疫学的染色法(CD31染色)による毛細血管密度評価を行った。間歇的圧迫圧(100 mmHg、150 mmHg)、圧迫回数(3回、6回)、圧迫開始日(下肢虚血作成1日後、8日後)の組み合わせを変えて施行した。圧迫圧150 mmHgでは血流が悪化傾向であり、圧迫回数3回では効果がみられなかった。また、圧迫開始が1日目からでは血流が悪化傾向であった。最終的に、8週齢のC57BL/6マウスに下肢虚血モデルを作成し、8日目よりマウス専用カフを用いて間歇的圧迫を開始した。100 mmHgによる5分間の圧迫と5分間の解除を計6回繰り返すことにより、間歇的圧迫を行った。これを1日に1セット、45日目まで連日行った。血流評価は、下肢虚血作成前、作成後3日目、7日目、10日目、14日目、21日目、24日目、31日目、36日目、45日目にLDPIにて、非虚血肢に対する虚血肢の血流比を評価した。間歇圧迫群(n=9)において、コントロール群 (n=9)と比較して、血流の改善傾向を認めたが、有意差は認めなかった。また、下肢虚血作成後45日目に下肢筋肉組織を採取し、筋切片を作成後、免疫学的染色法(CD31染色)による毛細血管密度評価を行ったが、両群間で有意差を認めなかった。現時点において、虚血肢に対する間歇的圧迫の有用性は示されなかった。
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