2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K19411
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 智 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20706717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Sirt7 / smooth muscle cell |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はSirt7ノックアウトマウスで見られたワイヤー障害後の新生内膜抑制作用がどの細胞のSirt7を介しているかを検討するためにSirt7flox/floxマウスとSM22-Cre過剰発現マウスを交配することで平滑筋特異的Sirt7 ノックアウトマウスを作成した。モデルの確認のために、肝臓、大動脈および血管平滑筋を用いてウエスタンブロットによる評価を行い、血管平滑筋でのみSirt7がノックアウトされていることを確認した。このマウスに対して、ワイヤー挿入による大腿動脈内膜剥離を行い、血管内皮障害モデルを作成した。その結果、全身でのSirt7ノックアウトマウス得られた所見と同様に平滑筋特異的Sirt7ノックアウトマウスでもワイヤー障害後の新生内膜の増生が有意に抑制されることを見出した。 平成28年度にCyclinAやCDK4などの細胞周期蛋白がSirt7ノックアウトマウス由来平滑筋において減少することを見出していたが、どのようにしてSirt7が細胞周期蛋白を制御するかは不明であった。そこで我々はmiRNAに注目し、探索を行ったところ、細胞増殖に関与するmiRNA(miR290-miR295)がSirt7ノックアウトマウス由来血管平滑筋細胞において増加することを見出した。これらの所見はSirt7がmiRNAを制御することにより、細胞周期関連蛋白の発現を調整することを示唆する所見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に用いるマウスを十分数得ることに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
Sirt7の欠如による平滑筋増殖抑制にmiRNA関与が示唆されたため、アンチセンスオリゴを用いて、Sirt7がmiRNAを介して、平滑筋の増殖を制御しうるかどうかを検証する。またどのようにしてmiRNA発現をsirt7が制御するかも検討する。
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Causes of Carryover |
使用するマウスが十分増えなかったため、必要な実験の遂行が遅れているため。
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