2018 Fiscal Year Annual Research Report
Discovery of master regulator of cardiac progenitor cells for PSC differentiation into CMs
Project/Area Number |
16K19426
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
貞廣 威太郎 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (60571130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心筋再生 / 心臓中胚葉 / 多能性幹細胞 / ダイレクトリプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
多能性幹細胞から心筋細胞の分化を誘導するには,複数の液性因子を使用し,心臓中胚葉細胞をへて心筋細胞に分化させる方法が一般的である.しかし,この方法には,工程が煩雑,効率が不安定,液性因子が高価,という課題がある.心臓中胚葉の分化の分子機構および心臓中胚葉の分化を誘導する転写因子については明らかにされておらず,この分子機構を解明し分化を誘導する転写因子を同定することにより,遺伝子の発現のみで多能性幹細胞から選択的に心臓中胚葉細胞の分化が可能になると考えた.ダイレクトリプログラミングを応用したスクリーニングにより線維芽細胞から心臓中胚葉細胞の分化を直接的に誘導するTbx6遺伝子を発見し,Tbx6遺伝子をマウスのES細胞あるいはヒトのiPS細胞といった多能性幹細胞に導入することにより,液性因子を使用せずに心臓中胚葉細胞の分化が可能であることが見い出された. このような中胚葉の分化の機序を解明するため,Mesp1遺伝子に着目して転写因子であるTbx6が直接的に結合する遺伝子を探索した.Mesp1は生体において,あるいは,幹細胞からの中胚葉細胞および心血管系細胞への分化に重要な転写因子であると同時に,線維芽細胞におけるスクリーニングにおいてもTbx6遺伝子により発現が誘導されていた.そこで,ChIP-PCR法によりMesp1遺伝子を解析したところ,Mesp1遺伝子のエンハンサー領域にTbx6の結合が認められ,Tbx6によるMesp1遺伝子への直接的な結合による発現の誘導が明らかにされた.このように,ES細胞からの中胚葉細胞への分化において,Tbx6が直接的および間接的な機序により分化を制御することが明らかにされた.
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Research Products
(6 results)