2016 Fiscal Year Research-status Report
糖転移酵素を標的とする非小細胞肺癌の創薬シーズ創出に関する研究
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16K19437
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 理央 北海道大学, 医学研究科, 助教 (40709276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖転移酵素 / FUT8 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖転移酵素を制御することによって、FUT8糖鎖修飾標的である腫瘍免疫抑制分子PD-L1の機能抑制による腫瘍免疫活性化戦略について、腫瘍EGF受容体の機能抑制とともにEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬の自然耐性克服・感受性増強戦略について、TGFβ受容体の機能抑制とともに上皮間葉転換(EMT)抑制とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬への自然耐性・獲得耐性の克服戦略について検証し、糖転移酵素を標的とする新たな創薬シーズ創出を目的に研究を行っている。 肺癌細胞株において、より効率的に糖転移酵素FUT8をノックアウトするためにCRISPR-Cas9システムを用いることとし、mFut8/pX330という糖転移酵素FUT8をノックアウトするCRISPR-Cas9システムを大阪大学に対して提供を依頼して承諾いただき、研究成果有体物移転契約の締結を取り交して、入手した。 CRISPR-Cas9システムによる糖転移酵素FUT8ノックアウトによるFUT8糖鎖修飾標的分子PD-L1の機能変化を解析するために、肺癌細胞株にmFut8/pX330 を導入しFut8 ノックアウト細胞株を作製し、その特徴を解析することにした。 肺癌細胞株において糖転移酵素FUT8およびFUT8糖鎖修飾標的分子であるPD-L1についてFACSを用いて発現解析を行って、FUT8およびPD-L1がともに高発現している細胞株を探索して、mFut8/pX330 を導入する細胞株の決定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より効率よく遺伝子発現を抑制する方法としてCRISPR-Cas9システムを見出すことができ、糖転移酵素FUT8をノックアウトするCRISPR-Cas9システムとしてmFut8/pX330を大阪大学から供与を受け入手できた。mFut8/pX330 を導入する細胞株を決定するため、糖転移酵素FUT8および腫瘍免疫抑制分子PD-L1についてFACSを用いて発現解析を行って、FUT8およびPD-L1がともに高発現している細胞株を探索できている。
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Strategy for Future Research Activity |
FUT8およびPD-L1がともに高発現している細胞株を見出し、糖転移酵素FUT8をノックアウトするCRISPR-Cas9システムとしてmFut8/pX330を遺伝子導入する。得られた細胞について、FUT8ノックアウトによるFUT8タンパク質発現抑制をFACS、ウエスタンブロット法で確認する。 FUT8ノックアウトによるin vitroにおける細胞増殖能、コロニー形成能、細胞遊走能・細胞浸潤能(TrasWell Chamber)の変化を検討する。 FUT8ノックアウトによってもたらされるEGFR活性の低下をphosphoEGFR発現の変化で確認するとともに、EGFR下流シグナル分子活性化(phosphoMAPK, phoshphoAKT)の変化をウエスタンブロット法で解析する。 FUT8ノックアウトによってもたらされるTGFβ活性の低下による、活性上皮間葉転換(EMT)マーカー(Snail, Twistなど)の発現変化、上皮マーカー(E-cadherinなど)の発現変化をウエスタンブロット法で解析する。 FUT8ノックアウトによってもたらされるPD-L1活性の低下を生化学的および免疫学的に解析する。
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