2016 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザ肺炎におけるSLPIの重症化機序と治療応用の検討
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16K19439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 泰三 東北大学, 大学病院, 医員 (90733832)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SLPI / インフルエンザ / Reactive Oxygen Species / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、secretory leukocyte protease inhibitor (SLPI)のnaiveな状態のマクロファージへの機能を検討する為に、SLPIのマクロファージの分化機能に注目し検討した。近年、マクロファージは炎症性マクロファージであるM1マクロファージと修復に関与するM2マクロファージに分けられる事が報告された。まず、naiveの野生型マウスとSLPI欠損マウスのマクロファージのM1/M2比を検討した。WT型マウスではM1マーカーであるiNOSが感度以下であるのに対して、SLPI欠損マウスでは、iNOSが野生型に比較して高値であった。また、M2マーカーであるARG1もSLPI欠損マウスは野生型に比較して低値であった。現在、M1/M2比を比較すると優位にSLPI欠損マウスのマクロファージで高く、この結果からSLPIはマクロファージをM1に誘導・分化する機能を有する事が示された。次にマクロファージの M1また誘導に関与するサイトカインであるIFNγに注目し検討した。WA型マウス及びSLPI欠損マウスの各肺から気管支肺胞洗浄液の炎症性サイトカインを検討した。SLPI欠損マウスの拝承洗浄液内のIFNγ値はWTマウスに比較して高値であった。また、TNFα値も同様の結果であった。これらの結果から、SLPIの欠損はIFNγを上昇しはマクロファージをM1に誘導し炎症を誘導する機序があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回検討にてSLPIはマクロファージの分化を誘導し肺内の炎症性サイトカインが増加している事がわかった。今後、上記機序がインフルエンザ肺炎モデルにて肺炎症の誘導に関与するかを検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、マウスのインフルエンザモデルが確立され、また、SLPI欠損マウスも現有している。また、今年度の研究にてSLPIがマクロファージをM1に誘導し炎症性サイトカインが増加する事が示された。この機序がインフルエンザ肺炎にて関与するのかを上記モデルを野生型、SLPI欠損マウスにて施工し検討する
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Causes of Carryover |
今年度実験計画はマウスを用いた実験が主であった為、物品などの使用が少なかった。今後、ノックアウトマウスを用いてサイトカインなどの測定やマクロファージのマイクロアレイなどを検討しており、高額の支払いを予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今までの実験でマクロファージのSLPIを抑制する事で、M1マクロファージに分化傾向を示し、炎症を誘起する事がわかった。今後、この機能の機序をin vivo及びvitroにて検討する。
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Research Products
(4 results)